ダイエットの基本は食事の改善です。運動をメインに考えるのは失敗の元。運動は必須ですが、それで体重が減ることを過度に期待しないことが大切です。
ですが、「運動をしたから安心」となり結局食べ過ぎて体重がいつまで経っても減らない…という方も多いのではないでしょうか?
この記事ではそんなあなたに、「安心してはダメ!」という現実を把握する方法をご紹介したいと思います。
それはMETs(メッツ)を使った消費カロリーを計算する方法です。あくまで目安にしかなりませんが、簡単に計算できます。実際の数字を見ると運動したからっと言って気をゆるめてはダメなことが実感できると思いますよ。
また、METsを利用した楽やせのヒントもご紹介します。
METsとは?
例えばランニングの消費カロリーは
消費カロリー=距離×時間
でザックリ計算できるという話がありますが、これは誤差が大きく他の運動にも適用できません。
かといって運動の消費カロリーを厳密に測定する場合は、体内から排出した二酸化炭素量を計測する必要があり、研究所レベルでないとなかなかできません。
そういう時に便利なのがMETs(メッツ)を使った計算方法です。
METsとは「Metabolic equivalents」の略です。Metabolicは代謝、equivalentsは相当するという意味で、体を動かした時に安静時の代謝の何倍に相当するエネルギーを消費しているかを表す数字です。
例えば、平坦で固い地面を4.0km/時で歩いたとき(アスファルトの上をのんびり散歩ぐらいですね)のMETsは3になります。これは安静時の3倍に相当するエネルギーを消費しいているという意味です。
国立健康・栄養研究所という機関から詳しい数字が出されおり、スポーツや生活活動をかなり細かく分けたMETsが決められています。
METsを使った消費カロリー推定法
では、METsから消費カロリーを計算する方法ですが、次の式から計算できます。
消費カロリー(kcal)=1.05×メッツ×時間×体重(kg)
例えば、体重が55kgの人が1時間のんびり自転車に乗る(=4METs)場合、
1.05×4×1.0(時間)×55(kg)=231(kcal)
となります。ただし、この数字は活動した時間に消費した全カロリー、すなわち
安静時の消費カロリー + 活動によって増えた消費カロリー
とります。純粋に運動によって増加したカロリーは安静時の消費カロリー(1METs分=57.75kcal)を引いた173.25kcalになります。
1時間自転車に乗って170kcal程度、脂肪に換算すると19gです(実際には糖質もエネルギーとして使われるので脂肪の消費量はもっと少ないです)。運動でやせることが以下に大変かがよく分かりますね…
実際に計算するときは国立健康・栄養研究所が出している下記のデータが便利です。
http://www0.nih.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
これを参考に自分がやりたい運動の消費カロリーを計算するのと面白いと思いますよ。ただ、計算すると運動でカロリーを消費することがいかに大変かが分かり絶望するかもしれませんのでご注意ください(笑)
METsの妥当性は?
METsの計算方法はWikipediaによると
単位時間当たり体重1kg当たりの酸素摂取量で表現できる。 酸素摂取量そのものについては、安静時における酸素摂取量3.5(mL/kg/分)を1METとし、これの2倍を2METs、3倍を3METs…と表すことが多い[1]。
となっており、酸素摂取量から計算されているのでいい加減な数字ではありません。
ただ、安静時における酸素摂取量は個人差が大きく、ここで基準としている数字は健康で運動耐容能(持久力・有酸素能力など)が比較的高い人に適した男性の値です。女性やまったく運動をしていない人はこの数字だとすこし多めになる可能性があります。
また、気温や湿度の違いも消費するエネルギーには影響を及ぼしますから、この数字はあくまで概算値だということを忘れないようにしましょう。
塵も積もれば山となる
先ほど紹介した国立研究所の表を見ると、運動以外にも「家での活動」とか「職業」などいろいろな活動でのMETsが紹介されています。
次の図は「家での活動」の一部です。
いかがでしょう?
日常の家事や仕事でもそれなりのエネルギーを消費していることが分かります。どうでもよいことですが、「動物の解体処理」って家での活動なんですかね…
この表を利用してMETsが比較的高い家事をやる頻度を増やしたり、歩くコースや時間を少し変えるだけでも1日の消費カロリーを少し増やすことができます。
1日の消費量が100kcl増えるだけでも、1年で計算上は3,6500kcalのマイナスとなり、脂肪に換算すると約4kgになります。(実際はそんなに単純ではないです)
まさに、「塵も積もれば山となる」ですね。少しの工夫が1年後、2年後には大きな違いになります。
こういうちょっとした工夫が楽にやせる、太りにくい生活を習慣を作るポイントになります。
是非、うまくMETsを活用してみてください。
あ、ここで「余計に活動したから食事は気にしなくて大丈夫」と考えてはダメですよ、念のため。
- 消費カロリーはMETsで簡単に計算できる
- 運動や毎日の活動の消費カロリーを多めに見積もっていないかチェックして現実を知ることが大切
- METsは日常生活で消費カロリーを増やすヒントとして活用しよう。
体の消費カロリーは個人差・環境差で大きく変わるのでMETsで出てくる数字はあくまで目安です。細かい数字にとらわれ過ぎないようにしましょうね。
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