脂肪はダイエットの時はなにかと敵視されがちですが、実は体にとても大切な栄養素の一つです。ですので、脂質を極端にカットするダイエットはよくありません。ある程度は摂る必要があります。
そうなると、気になってくるのが脂肪の質。どういう脂肪を摂るかはダイエットだけでなく健康にもかかわる大切な話です。
この記事では脂肪選びの目安を紹介したいと思います。
脂質の種類
脂質には脂肪酸をはじめ、中性脂肪やリン脂質、コレステロールなどがあります。ここでは主に食べ物から摂取することになる脂肪酸について考えていきたいと思います。
脂質は一般的にその構成要素である脂肪酸によって分類されます。分類方法は色々あるのですが、ここでは実用上便利な4種類を紹介します。
この記事では「脂肪酸」という言葉がたくさん出てきますが、これは脂質の材料だと考えてください。脂肪酸と他の物質が結びつくことで脂質になります。
ちなみに「油脂」というのは脂質の一種です。「常温で液体のあぶら(油)」と「常温で固体のあぶら(脂)」をまとめて油脂を呼んでいます。
飽和脂肪酸
ステアリン酸など。主の動物の脂肪に多く含まれますが、植物ではココナッツオイル、パーム油に多いです。
飽和脂肪酸は融点が高いものが多く、常温では半固体のものが多くなります。
一価不飽和脂肪酸(オメガ9脂肪酸)
オレイン酸が代表的。動植物問わず多くの生物に含まれています。よく健康に良いといわれるオリーブオイルはオレイン酸を主成分としています。
多価不飽和脂肪酸(オメガ6脂肪酸)
リノール酸など。哺乳類の体内で合成できない、いわゆる必須脂肪酸になります。細胞膜には欠かせない材料で、植物に豊富に含まれます。
摂りすぎるとオメガ3脂肪酸の働きを妨げます。
私たちが一般的に食べる植物油(サラダオイル、マーガリンなど)はリノール酸をたくさん含みます。そのため、現代人は基本的に摂りすぎと考えて良いです。
多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)
こちらも体内で合成できない必須脂肪酸です。
健康食品でよくでてくるαリノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)はこのグループ。
魚介類、特に青魚に豊富に含まれ、植物だと亜麻仁(アマニ)油、荏胡麻(エゴマ)油、しそ油が代表的です。
抗炎症作用、血液をさらさらにする、学習能力や記憶、認知症、さらにダイエットにも効果があるといいわれています。
ダイエットで食べるべき脂質は?
脂質が体に必要とはいいましたが、基本的にカロリーが高いので摂りすぎは太る原因にもなります。そのため体重をコントロールする場合はなるべく必要な脂質のみを摂るようにしたいものです。
そういう考えると自然と不飽和脂肪酸を多く含む脂質をとるということになりますね。体内で合成できない必須脂肪酸はしっかり摂りたいからです。
ところが、オメガ6脂肪酸に関しては私たち現代人は摂りすぎの傾向があるので控えた方がよいです。そして代わりにオメガ3脂肪酸を多く摂りオメガ6とオメガ3のバランスをとるようにしましょう。
ちなみに、オメガ3脂肪酸はサプリメント(フィッシュオイルと呼ばれたりしてます)でも売っているので、魚がなかなか食べられない人はこういうものを利用するのもありでしょう。
一方、あまり摂りたくないのは飽和脂肪酸とよばれるもので、体内でも合成できますし摂取しすぎると中性脂肪(皮下脂肪にためられる脂肪と考えてください)になったりコレステロールのアンバランスにつながったりします。
基本的に脂身の多い肉は食べ過ぎないように。 揚げ物の脂なども飽和脂肪酸になるのでもちろん避けた方がよい脂です。
ちなみに、不飽和脂肪酸は太りにくい脂質で、飽和脂肪酸が太りやすい脂質と紹介されていることがあります。不飽和脂肪酸は消化しにくいのでそういわれるようです。とはいえ脂質は脂質ですから、やっぱり食べ過ぎたら同じだと考えておいてください。
- なるべくオメガ3(魚、エゴマ油など)から摂る
- オメガ6(サラダオイル、マーガリンなど)はできるだけ避ける
- 飽和脂肪酸もなるべく避ける
脂肪の質は健康とも密接に関わっています。ダイエットに限らず、なるべく健康に良い脂肪を摂るように心掛けましょう。
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