スポーツドリンクというと運動中に飲むドリンクですから何となく健康的なイメージがあります。ダイエットにもよい飲み物だと考えやすいですが…
最初に結論を言っておくと、スポーツドリンクは運動昼や脱水症状の危険があるとき以外に飲むなら、普通のジュースと変わりません。
特にダイエットのときには運動中も含めて脱水症状の危険がある場合以外は飲まないようにしましょう。
しかし、そうはいってられない場合もあります。以前、ダイエットを指導しているクライアントさんで熱を出した方がいて、こんな質問が来ました。
「ポカリやアクエリアスを飲んでよいですか?」
そういう時の対処法も含めてスポーツドリンクとダイエットについて説明していきたいと思います。
スポーツドリンクは実は糖質タップリ
メジャーなスポーツドリンクというと日本ではポカリスエットとアクエリアスですね。どうでも良い話ですが私はポカリよりアクエリアスの方が好きです。
さて、パッケージやメーカーのウェブサイトを見るとポカリやアクエリアスの成分は次のようになっています。
ポカリスエット(100ml) | アクエリアス(100ml) | |
---|---|---|
エネルギー | 25kcal | 19kcal |
タンパク質 | 0g | 0g |
脂質 | 0g | 0g |
糖質 | 6.2g | 4.7g |
ナトリウム | 49mg | 40mg |
カリウム | 20mg | 8mg |
マグネシウム | 0.6mg | 1.2mg |
原材料 | 砂糖、果糖ぶどう糖液糖、果汁、食塩、酸味料、香料、塩化K、乳酸Ca、調味料(アミノ酸)、塩化Mg、酸化防止剤(ビタミンC) | 果糖ぶどう糖液糖、塩化Na、クエン酸、香料、クエン酸Na、アルギニン、塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、イソロイシン、バリン、ロイシン |
これだけ見ると糖質は少なそうに思いますが、これは100mlでの成分です。現在は500mlのペットボトルが一般的ですし熱があるときは恐らく1本ぐらいは簡単に飲んでしまうのではないでしょうか?
そこで500mlの場合の成分を計算してみると次の表のようになります。
ポカリスエット(500ml) | アクエリアス(500ml) | |
---|---|---|
エネルギー | 125kcal | 95kcal |
タンパク質 | 0g | 0g |
脂質 | 0g | 0g |
糖質 | 31g | 20g |
ナトリウム | 245mg | 200mg |
カリウム | 100mg | 40mg |
マグネシウム | 3mg | 3.6mg |
糖質やカロリーはそれなりにあることが分かりますね。さらに成分をみてもらうと分かる通り、糖質は果糖ブドウ糖液糖と砂糖ですから吸収が早く血糖値を急激に上げてしまいます。
スポーツドリンクは特殊な状況で飲むもの
そもそもスポーツドリンクは運動中でエネルギーの消費が大きい状況で飲むことを想定した成分になっています。運動中は筋肉が積極的に糖質を取り込もうとしているので補給した糖質は速やかにエネルギーとして使用されます。そのため糖質が入っていても問題になりません。
ただし、ダイエット中は逆効果の場合があるので注意が必要です。それについては後ほど説明します。
また、発熱や下痢嘔吐では水分が出て行くだけでなく食事できずエネルギーが摂取できない状況でもあります。
この場合も速やかにエネルギーも補給できるスポーツドリンクの特性は合っていることがわかりますね。
つまり、運動中は発熱時などに飲むなら特に問題はありません。
スポーツドリンクを普通の状態で飲むと・・・
一方で、運動ゼロ、発熱もなく食べ物も普通に食べている状況でスポーツドリンクを水代わりに飲むと、
- オーバーカロリー
- 血糖値の不安定
を招く可能性があります。
以前、ポッチャリ体型・外回りの営業(といっても車なのでほとんど体を動かさない)の人が
「間食も食べないしジュースは飲んでいない!」
と言いつつ代わりに
「お茶代わりにスポーツドリンクを飲んでいる」
と言っていたことがありました。特に夏の暑い時には沢山飲んでいたそうです。
確かに汗をたくさんかくので電解質の補給も必要ですから間違いとは言いませんが、
「スポーツドリンクはジュースと違うから太らない」
と思い込んでガブガブ飲んでいると、結構なカロリー摂取になります。さらに吸収がよいだけに血糖値が不安定になり過剰な空腹感や疲労感の原因になる可能性もあります。
十分に気をつけてください。
ダイエット中のスポーツドリンクは要注意
ダイエット中は基本的にスポーツドリンクはNGです。運動中であっても有酸素運動の場合は避けましょう。
「え、なぜ運動中に飲んではダメなの?」
と思うかもしれませんね。
先ほども書いたように、スポーツドリンクを飲むと糖質が素早く吸収されてエネルギーとなりまが、体は糖質を優先して使うので脂肪を使わなくなってしまいます。
せっかく脂肪を使いたいのに、飲んだドリンクの方から先に使うのでは運動する意味がなくなってしまいますよね。
ですので、ダイエット中で有酸素運動をしているならスポーツドリンクや糖質は摂らないようにしましょう。
では、アクエリアス ゼロなどのカロリーゼロのスポーツドリンクならよいのかというと、そうとも言えません。
人間は甘味を感じるだけでインスリンが分泌されるのでカロリーゼロでもインスリンが分泌され脂肪の燃焼が抑制される可能性があります。そう考えるとダイエットで有酸素運動をするときは糖質のない水やお茶にしておくことが辺ステでしょう。
ただし、1〜2時間以上運動する場合は糖質を少し摂取するのもありです。
筋トレは脂肪を燃やすのではなく筋肉に刺激を与えることが目的の運動で、使うエネルギーも糖質がメインとなります。
筋肉への刺激を大きくするには大きな力を出さなければなりません。その時に糖質が不足すると、筋力は力を十分に出し切れなくなります。これは筋トレの効果が落ちるということを意味します。
そのため、筋トレでは糖質を適度に摂った方がよりよいトレーニングができます。
有酸素運動と筋トレは全く別物と考えてください。
アクエリアスとポカリスエットどちらよい?
ダイエットでは基本NGですが、筋トレや脱水症状の時は飲んでも大丈夫です。特に脱水症状になりそうなときはダイエットどころではないので積極的に飲んでください。
では、そういうときに飲む場合はどちらがよいのでしょうか?
先ほどアクエリアスとポカリスエットの成分を書きましたが、両者微妙に成分が違います。正直なところ、成分の差はわずかですから大きな違いはないと思うのですが、あえて言うなら次のように用途で分けるとよいと考えています。
- スポーツ中の水分補給→アクエリアス
疲労回復や筋肉へのダメージを減らすクエン酸やアミノ酸を含むため - 発熱・下痢・嘔吐などの水分補給→ポカリスエット
ナトリウムやカリウムが多いため
ちなみに、冒頭に書いた熱を出したクライアントさんには、アクエリアス ゼロを勧めておきました。
医療的には脱水症状にベストなのはOS-1ですが、コンビニでは手に入らないし、値段も高めです。さらにこの方は食欲もあるし40℃近くまで上がっているわけでもないのでそこまでは必要ないと判断しました。
ポカリスエットをやめたのも、症状が軽いならなるべく糖質を摂らない方がよいと判断したからです。
このあたりは症状を見て柔軟に対応しましょう。
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- ダイエット中にスポーツドリンクはNG。ジュースと同じと考える。
- 筋トレをするときや発熱などで脱水症状の恐れがある場合はOK
- 有酸素運動中に糖質を含んだ飲み物は飲まない(1〜2時間以上運動する場合は少量ならOK)
ダイエット中の飲み物はノンシュガーが基本です。甘い液体は極力避けるようにしましょう。普段からそういうものをよく飲んでいる人は、それをやめるだけでも変わってきますよ。
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