いろいろな人の話を聞いていると、どうも30後半ぐらいから体力や筋力の衰えを感じ始め、40代になるとそれが加速すると感じている人が多いようです。お腹が気になり出すのもこれぐらいの年齢からですよね。
実は、40代になると急に衰えたと感じる原因の一つに筋肉の衰えがあります。これは40代以降の人はよ〜く頭に入れておいて頂きたいことです。シャキシャキ動ける老後を迎えるためには必須の知識ですよ。
筋肉は加齢と共に減っていく
非常に残念な話ですが、筋肉は加齢と共に減少していくことがさまざまな研究結果から実証されています。
よく話題にあがる例としては大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)があります。この筋肉は最も落ちやすい筋肉と言われており、25~30歳をピークに1年に1%ずつ細くなっていきます。1%と言うと微々たるものだと感じるかもしれませんが、80歳になると50%です。つまり30歳の時の半分の筋力しかない計算になります。
若い頃の片足1本分の筋力になるわけですから、年取ると立ち上がるだけでも一苦労となることが理解できますよね。
ちなみに、加齢により衰えるのは速筋繊維の方で、遅筋線維はそれほど衰えません。
筋肉の太さに貢献するのは主に速筋繊維ですから、年をとって筋肉が細くなったと感じるのが速筋繊維の減少だと考えれば納得がいきますね。また、素早く動くときに活躍するのも速筋繊維ですからお年寄りの動きがゆっくりになるのも頷けます。
遅筋線維は姿勢維持の役割が大きく、立ったり座ったりしているだけでも常に働いています。ですから、なかなか衰えにくいようですね。だからゆっくり動くのに必要な最低限の筋力は高齢になっても保持されると言えます。
とはいえシャキシャキ動けなくなると、やはり快適な生活を送れるとは言いがたいですよね。
トレーニングで食い止められる
では、僕たちは衰える体を指をくわえて眺めていることしかでいないのでしょうか?
そんなことはありません。これまた多くの研究結果から適切にトレーニングを行えば筋肉はかなりのレベルまで維持できることが分かっています。
ある研究では、60歳以上の高齢でも最大で230%も筋力が改善されたという結果がでています。この伸び率は若者と大差ないそうです。
これは非常に希望のある結果だと思います。年齢に関係なく努力すれば体は答えてくれるわけです。
有酸素運動だけではダメ
シニア層で今まで運動していなかった人が真っ先に取り組むことと言えばウォーキングですよね。手軽にできるし体への負担も少ないです。
確かに運動を開始した当初はそれでも良いのですが、「体への負担が少ない=あまり鍛えられない」ということにもなります。
そこでステップアップとしてジョギングや登山などもう少し強度の高い運動に移っていくことは良いことなのですが、これらの運動は基本的に有酸素運動です。
有酸素運動は心肺機能を発達させるとても良い運動で、高齢になればなるほどしっかりとやって頂きたいのですが、残念ながら歳をとっても衰えにくい遅筋線維を主に使う運動です。
僕たちが鍛えたい筋肉は衰えるのが速い速筋繊維ですよね。そして、速筋繊維を維持するもっとも効果的なトレーニングがいわゆる筋トレになります。
ですので、シニア世代の体づくりの戦略としては
- 有酸素運動で循環器系の衰えを防ぐ
- 筋トレで骨格筋と神経系の衰えを防ぐ
の2本柱でトレーニングをする必要があるのです。
両方できればベストですが、どちらか一方だけとなると筋トレを優先することをオススメします。
というのも筋トレをそれなりの強度で行うと心肺機能も十分に鍛える効果があるからです。ウェイトを持ち上げて疲れて筋肉を回復させるためには大量の血液が必要にありますからね。
これから運動を始める40代以降の方はこのことを頭に入れてトレーニングプログラムを組むことをオススメします。
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