このブログに辿り着いた人は太って悩んでいる人が多いと思います。そういう人達からすると脂肪というのは自分の体から締め出したい、無くなってほしい存在ですよね。
とはいえ、脂肪が無くなると体にとっては大変なことになります。この記事では脂肪をどこまで減らすことが可能なのか?ということについて考えてみたいと思います。
もし脂肪がゼロになったら・・・
まず最初に少し書いておきますが、ここでいう「体脂肪がゼロの体」というのは脂肪細胞内に蓄えられている脂肪つまり皮下脂肪や内臓脂肪がゼロという意味です。
もし、脂肪を含む組織も含めて脂肪がゼロだと定義してしまうと、脂肪からできている細胞膜も無くなるることになるので、人が人としての形を保てなくなります(笑)
正確には「白色脂肪細胞の脂肪貯蔵がゼロ」という表現がよさそですね。
すこし以前の記事と被りますが、ここでもう一度白色脂肪細胞の役割について簡単におさらいしておきましょう。大きく分けて次の5つの役割があります。
- 体のエネルギーの管理(余分な脂質や糖質の保管と不足時のエネルギーの供給)
- 体温維持のための断熱作用
- 内臓の位置を保つ
- エストロゲン(女性ホルモン)の変換(女性ホルモンの活性化)
- アディポサイトカインの分泌
脂肪ゼロの場合、この中の1番と2番と4番にダイレクトに影響がありそうです。
- 不足時のエネルギーの供給ができない→心臓が止まる、体温保持の熱を生み出せない
- 低温の環境下で体温が維持できない
- ホルモンの材料は脂肪ですから無ければ作られない
ということが予想できますね。3番はどうなるかは不明確ですが胃下垂などになるかもしれません。
5番に関しては体脂肪ゼロでも白色脂肪細胞自体は残っているので大丈夫かもしれません。アディポサイトカインはタンパク質ですからね。ただ、これを作り出すエネルギーとして脂肪が必要な気がするのでゼロならやっぱりダメかな?
特に心臓のエネルギー源は脂質なので脂肪ゼロ=心臓が止まるということになるので、生きていくことは不可能となりそうです。
必要な体脂肪の量
ゼロでは心臓が止まってしまうということになりますが、心臓を最低限動かして体温を維持できるレベルの脂肪が確保されたとしても、今度はホルモンを作ることが出来ないので体の機能を正常に保つことは難しくなります。
ですから心臓が動きホルモンも少なくとも生きていけるだけは分泌できる状態が最低限の脂肪量となりそうです。医学的には「不可欠脂肪」という生きていく為に必要な最低限の脂肪量が定められています。
- 男性:体重の4%
- 女性:体重の12%
女性は男性と比べると3倍ぐらい脂肪が必要です。これは妊娠・出産が大きく関わっています。赤ちゃんを産んで育てると言うことはもう1人分のエネルギーが必要ですし、ホルモンの働きもとても重要になります。そのために多くの脂肪をためるようにできているわけです。
女性の場合は12%を切ると生理が止まります。これは体のエネルギーの備蓄が子供を育てるには不十分なために起こる自然の反応と考えられますね。
体脂肪の少ない女性と言えばトップアスリート。特に女子マラソンの選手は細い人が多いですね。8%ぐらいまで脂肪をおとしている選手もいるそうですが、ここまで脂肪量が減ると生理が来ないだけでなく、骨粗鬆症の危険性もでてきます。女子マラソンの選手が疲労骨折という話をたまに聞きますが、それは走り込みだけでなく極端に低い体脂肪率も原因かもしれません。
モデルの女性でも極端に低い体脂肪率でガリガリの方がたまにいらっしゃいます。これはあきらかに健康状態がヤバイです。正直、男性から見ても魅力的ではありません。
男性で限界まで脂肪を落とすといえばボディビルダーが挙げられます。僕が聞いたことのある話では、体脂肪6%ぐらいまで落とすと風邪を引いて体調を崩しやすくなったりパワーが十分にでないという状態になるそうです。
このように、低すぎる体脂肪は健康にはなにもメリットがありません。見た目という意味でもボディビルダーのように筋肉をしっかり付けて絞ればまだしも、単に脂肪が少ないだけではガリガリなだけで魅力的ではありません。
ダイエットの本来の目的は細くなることではなく魅力的になることのはずです。過剰な細さを求めることは危険だから止めましょう!
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