ダイエットを効果的に行うためには、「なぜ太るのか?」ということについてしっかり理解しておく必要があります。
もちろん、シンプルに言えば食べ過ぎと運動不足なわけですが、その中で最も大きな影響を及ぼしているものがあります。
それが、糖質の過剰摂取です。
糖質の定義については「糖質と糖類と炭水化物の違い」で詳しく書いたので気になる人は見てください。簡単にいえば、甘いモノ全てと、米・パン・パスタ・イモ・コーンなどの炭水化物全般のことです。
今回は糖質がなぜ肥満の一番の原因になるのかを考えてみたいと思います。
現代人は糖質を摂り過ぎている
まずは、あなたが普段食べているものを少し想像してみてください。
例えばご飯党なら
- 朝食:ご飯と味噌汁と焼き魚
- 昼食:炒飯とラーメン
- 夕食:カレーライスとサラダ
パン好きな女性だったら
- 朝食:パンとフルーツ
- 昼食:サンドイッチ
- 夕食:パスタ・ピザ
なんていうのは割と普通にある食事ではないでしょうか?3食全てに糖質(炭水化物)がたっぷり含まれています。逆にタンパク質(肉・魚・豆など)は少なめですよね。これにさらに間食で食べるお菓子などを加えるともう糖質まみれの食事といっても言い過ぎではありません。
糖質というと甘いイメージがあるので、ご飯やパスタはそんなに糖質を含んでいるというイメージが湧かないかもしれません。ですが、栄養成分的にはご飯の茶碗1杯(150g)には角砂糖17個分の糖質が含まれています。そう思うと毎日かなりの量の糖質を食べていることが理解できますよね。
糖質が太る理由
ご飯や甘いモノなど糖質がたくさん含まれる食べ物を食べると血糖値が急激に上昇します。血糖値というのは血液中のブドウ糖の量です。
実は血糖値が高くなるということは、体にとってとても悪いことなので緊急事態としてインスリンというホルモンが大量に分泌されます。このインスリンは血液中のブドウ糖を筋肉細胞と脂肪細胞に取り込ませることによって血糖値を下げるように働きます。
この作用をもう少し詳しく書くと
- 筋肉が脂肪ではなくブドウ糖を優先的に使うようになる→脂肪の消費量が減る
- ブドウ糖を中性脂肪にかえて脂肪細胞に蓄えるように働く→脂肪が増える
という2つのことが同時に起こるわけです。つまり脂肪の消費量が減って、蓄える量を増やすように働くわけですね。
ダイエットしたい人にとって聞き捨てならない作用ですよね。
糖質を食べると脂肪を使えない&ため込みやすい体になるわけですから。
古き良き時代はこれでよかった
なぜ、こんなとんでもない仕組みになっているかというと、私たちのご先祖様の時代には糖質は滅多にありつけないご馳走だったからです。次にいつ食べ物が食べられるか分からないのですから、せっかく食べた糖質はすぐに脂肪に変えて体に蓄えておこう、とするのが生き延びるための進化だったわけです。
そして、残念ながらそのシステムのままで今の糖質過剰な時代を迎えてしまいました。体は次から次に糖質が食べられる時代だということを理解できません。ですから糖質を食べる度に、せっせと脂肪にして蓄えようとするのです。
この糖質に対する体の反応に加えて日常的な運動量の減少が肥満に拍車をかけています。体をたくさん動かせば脂肪に変換されるまえに筋肉で糖質を消費できるのですが、現代ではそこまでの運動をする機会はすくないですからね。
念のため言っておくと、運動による糖質の消費量は実際はとても少ないので、運動量を少し増やしたぐらいではとても糖質過多の現代の食事を補うことはできません。
さらに重要な事は糖質は脂肪と違って必須栄養素ではないということです。必要な糖質は体内で合成することができますからね。
本来体には無くてもよいものを大量に食べ、それで太っているわけです。
このように、糖質を多く含む食品が簡単に手に入る時代だからこそ、糖質の過剰摂取は肥満の最大の原因となるのです。
ダイエットの敵は脂肪では無く糖質です。
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