このブログに限らず、ダイエットの話では「炭水化物」と「糖質」という言葉がよくでてきます。また栄養成分表示をみると「糖類」という言葉もでてきますね。
ダイエットで栄養成分のことを気にするならこれらの区別はできた方がよいと思うので、その言葉の定義を明確にしておきましょう。
栄養表示基準という厚生労働省が決めた基準によると、
- 「糖質」→『炭水化物から食物繊維を除いたもの』の総称
- 「糖類」→『単糖類・二糖類』の総称(「糖質」から「多糖類・糖アルコールなど」を除いたもの)
ということになります。ここでは炭水化物についてもう少し詳しく考えてみましょう。
炭水化物とは?
言葉どおりに解釈すると、炭素と水(というより水素と酸素)からできている化合物です。これではピンときませんが、カロリー計算での定義は
食品からタンパク質、脂質、灰分(ミネラルなど)を除いた残りの成分全て
となります。残りの成分全てをまとめて炭水化物と呼んでいるので、実際にはさまざまな成分が集まったものが炭水化物といえます。
ただ、現実的には糖質と食物繊維の2つの成分がほとんどを占めているので、最初に書いたように
炭水化物=糖質+食物繊維
と書くことができるわけですね。実用上もこのように憶えておけば差し支えないと思います。
ちなみに食物繊維は「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されています。ですので炭水化物のうち消化・吸収できるものが糖質とも言えますね。(※食物繊維は人間の消化酵素では消化できませんが、腸内細菌の働きで消化することは可能です)
炭水化物と糖質制限
さきほどの炭水化物の定義から分かるように、栄養成分中の炭水化物の重量は糖質と食物繊維を含んだ総重量となります。そして食品のパッケージに書いてある成分表示では炭水化物の量しか書かれていない場合が多いです。
これは糖質制限ダイエットをする場合に少々やっかいです。
糖質制限で問題となるのは糖質であって食物繊維ではありません。しかし糖質のみを厳密にカットしたくても、書いてなければお手上げですし、たとえ書いてあったとしても、食べるときに炭水化物中の糖質と食物繊維をわけることは困難です。
なので、僕が糖質制限ダイエットを指導する場合、安全側(糖質が減る側)をとって炭水化物の重量=糖質の重量として計算してもらいます。ただ、炭水化物を減らすと食物繊維が不足気味になる可能性もあるので注意が必要です(葉っぱ系の野菜を沢山食べてもらえば十分補えると考えています)。
糖質と糖類の違い
結論から言うと、糖類というのは糖質の一部です。栄養表示基準の定義では次の様になります。
糖質のうち単糖類(ぶどう糖など)と、二糖類(ショ糖、乳糖)に限り、吸収されにくい糖アルコール(マルチトール、エリストールなど)を除いたものをいう
この定義をよく理解するためには糖の構造について知っていなければなりません。
糖には最小の構成単位があり、それを単糖類(ブドウ糖や果糖など)と呼びます。そして、単糖類が複数つながったものが多糖類とよばれ、二糖類なら単糖類が2個つながってできている糖です。乳糖や砂糖は二糖類になります。
そして、栄養表示基準の定義では二糖類までを糖類と呼ぶということです。具体的には、砂糖や果糖、ブドウ糖、乳糖などは糖類です。
では、それ以上に単糖類がつながったものは何かというと、代表的なものにデンプンがあります。ものすごく大ざっぱなイメージでは、
甘い糖質は糖類、甘くない糖質は糖類と呼ばない
と憶えておけば良いと思います。
そして、ダイエットでポイントになるのは甘くない糖質です。
なぜなら甘いモノ=太るというのイメージを持つ人は多いので、直感的に食べる量を制限しやすいですが、甘くない糖質はそうはいきません。
「甘くないし大丈夫でしょう」なんて甘い考えをする人が多いです。
甘くない糖質もおなじ糖質であり、太ることにつながります。ダイエットをする人はそこをしっかりと意識しなければなりません。
糖=甘いモノ とは限らないのです!
コメント
この記事へのコメントはありません。