筋トレには代謝アップ(わずかですが・・・)や成長ホルモンの分泌、筋力アップによる生活の質の向上など良いことが沢山ありますが、逆に体に悪いことはないのでしょうか?
特に40代、50代あたりから筋トレを始める人は健康への悪影響の方も気になると思います。
そこで今回は心臓への負担について考えてみたいと思います。
スポーツ心臓とは?
本題に入る前にまずはスポーツ心臓というものについて説明したいと思います。
運動をすると体はたくさんの血液を必要とします。そこで心臓は心拍数を上げることでその要求に応えようとします。
ところが心拍数には最大心拍数と呼ばれる上限があります。最大心拍数は人それぞれに決まっておりトレーニングを積んでも増えません。それどころか年齢とともに減っていくことが分かっています。
心拍数がこれ以上増やせないとなると、あとは一回の拍出量を増やすしかありません。そのためには心臓の容積=心室のサイズを大きくする必要があります。
こうしてスポーツを継続して行っていると心臓の大きさ(主に心室の容積)が大きくなります。 このような心臓のことをスポーツ心臓と呼びます。
筋トレでも心臓は大きくなる
では持久系の運動とは正反対な筋トレや重量挙げをやっている人の心臓はどうなのかというと、こちらもやはり心臓は大きくなります。ただし、こちらは容積ではなく心臓の壁(心臓の筋肉)の厚さが大きくなります。
重い重量を上げるために筋肉がギュッと収縮すると血管も押しつぶされて血が流れにくくなります。それに対抗して心臓も血液を押し出す力をアップさせなければなりません。これは心臓の筋肉を筋トレしているようなものですから、他の部位と同じように筋肥大していきます。
その結果心臓の壁が分厚くなり、外から見ると心臓が大きくなったように見えるわけです。
心臓肥大との関係
一方で医学的には心臓が大きくなることを心臓肥大とよび一般的に体に良くないと言われています。そして心臓肥大は筋トレと同じく心臓の壁が厚くなった状態です。
心臓肥大そのものは他の症状(主に高血圧)が原因でおこる体の反応であり病気ではありません。逆にいうとトレーニングもしていないのに心臓が肥大するというのは他に病気が隠れている証拠になります。これが体に良くないと言われる理由の一つです。
もう一つの理由として心臓肥大が進行すると、心臓が弱ってきて十分な血液を送り出せなくなる心不全という症状が出る恐れがあります。
このように聞くと筋トレによって心臓が肥大すると心不全の危険性が高まると思うかもしれませんが、実際の所は心臓の壁が厚くなることが心不全の直接の原因かどうかはよくわかっていません。
おまけに、筋トレで心臓肥大を起こすためにはかなりのトレーニングをこなす必要があり、ダイエット目的で少々やる分には問題はないと思います。
そもそも筋力の低下の方がよほど様々な病気のリスクが高まると思います。筋トレのメリットどデメリットを比較し、どちらがリスクが高いかを冷静に判断してほしいと思います。
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