今回は筋肉の形(筋繊維の並び方)について考えてみたいと思います。
ボディビルディングの世界では筋肉を美しく魅せるというのがテーマで、如何に筋肉を美しい形に発達させるかが重要になってきます。
ですが、今回ここで話をしたいのはこのような外から見える筋肉の形ではありません。一皮剥いて筋肉を直接見たときの筋肉の形です。
筋肉の形は3つに分かれる
筋肉の形(筋繊維の方向)は、羽状、紡錘状、収束状の3つに分かれます。記事の冒頭の図がそれのイメージ図です。もう少し詳しく書くと次の様になります。
羽状
筋繊維が羽根のように並んでいる構造。力のでる方向に対して筋繊維が斜めに付いています。運動会の綱引きをイメージしてみてください。左右に別れて綱を持ちますよね。
そうすることで、一本の綱でもたくさんの人(筋繊維)で引っぱることができるので大きな力がでます。その代わり動く方向に対して斜めに引っぱるので収縮する距離は少なくなる=スピードは遅くなります。
このタイプの筋肉は、伸筋と呼ばれる関節を伸ばす筋肉にこのタイプが多いです。重力に逆らって体を伸ばすという役割があるのでスピードより大きな力が出ることを重視しているわけですね。
羽状は筋繊維の付き方でさらに何種類かに分類できます。
- 半羽状(例:外側広筋、中間広筋)
- 羽状(例:大腿直筋)
- 多羽状(例:三角筋)
紡錘状
こちらは筋繊維が平行に並んでいるイメージです。これが普通の人がイメージする筋肉だと思います。
こちらは筋繊維の数が少なくなるので同じ断面積なら羽状より大きな力は出せません。しかし、筋繊維の収縮方向と筋肉の収縮方向が同じなのでスピードは有利です。
こちちらは屈筋と呼ばれる関節を曲げる筋肉に多いです。どちらかというと重力に従う方向でつかわれる部分に多く、力よりスピード重視ということですね。
例としては腕を曲げたときに力こぶになる上腕二頭筋などがあります。
収束状
これは複数の場所からスタートした筋肉が一点に集約していくタイプの筋肉になります。いろいろな方向から引っぱることができるので複雑な動きをする場所に向いています。
例としては胸の筋肉である大胸筋があげられます。
マッサージをしたりするときに大切
この筋繊維の方向はトレーニングで気にする必要は全くありません。こんなこと知らなくてもできますのでご安心ください。
ただ、体のケアとしてマッサージで筋肉をほぐしたりする場合は、筋肉の繊維方向がとても大切になってきます。繊維方向を意識してマッサージするのと、何も考えずにするのとでは効果に大きな違いがでてきますからね。
ですので、マッサージを自分でする場合は、一度ぐらいは解剖学に詳しいマッサージ師や整体師にアドバイスをもらうことをオススメしますよ。逆に、そういうことに上手く答えられない人は技術的に怪しい人だと思います。
コメント
この記事へのコメントはありません。