前回は「そもそも体重で体型や健康を考えるのがよくない」という結論で終わりました。
BMIは体重から簡単に計算でき、体型が標準に近ければそこそこよい指標になりますが、その数字を鵜呑みにしない方がよいです。
では、どのような指標がよいのかということを考えてみたいと思ったのですが、BMIのダメなところを上手く表現する言葉を見つけたので今回はその紹介にします。
Fat Thin Person
“太った細い人(Fat Thin Person)”って一見すると矛盾した言葉ですね。これは「加速する肥満」という本に書いてあった言葉なのですが、BMIが役に立たないことを上手く言い当てている言葉だと思います。
現代人の多くは、運動をせず白米や砂糖など精製されて栄養価が低い食べ物ばかり食べています。そのような状態では摂取カロリーがオーバーすれば当然脂肪が増え肥満なります。
逆に摂取カロリーがマイナスの場合は落ちるのは筋肉で脂肪はそのままという状態になります。つまり肥満には見えないけど脂肪の量が多いという状態ですね。これが太った細い人です。
英語のFatの原義は“脂肪をたっぷり蓄えている”を意味しているので冒頭に書いた“Fat Thin Person”という英語の表記はこの状態を正確に表していますね。やせている(Thin)けど脂肪をたっぷり蓄えている(Fat)人だという意味です。日本語にすると“太った”というのは大きいこと全般を表すので少しニュアンスがずれますが、言いたいことは何となくわかりますよね。
健康に悪いのは脂肪の過剰蓄積です。ですから見た目が細くても脂肪の比率が高ければ肥満の人と変わらず不健康な場合もあるわけですね。
ところが、体重と身長だけしかみないBMIではこのような場合も健康的な範囲の数字になります。
逆にスポーツ選手の場合、筋肉をたくさん付けている人は体重が重くなるのでBMIも大きくなります。しかし、それを肥満とは言いませんし、脂肪過剰の人のような健康問題も普通はありません。
ですから、あなたも自分のBMIを計算してみて「BMIでは健康な範囲に入っている!」と思っても安心してはいけません。
仕事にせよ趣味にせよ適度に体を動かして筋肉を維持し、食生活も糖質過剰ではなくタンパク質もしっかり食べているかどうかを自問自答しましょう。
もしそうなら本当に健康な範囲に入っていると思いますが、そうでないならBMIの数字は信じるべきではありません。あなたは“太った細い人”である可能性が高いので、もっと別の指標をチェックすべきです。
次回こそ、その別の指標のお話をしますね。
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