今まで、5回にわたりリバウンドについて話をしてきたのですが、どれも前提となっているのはカロリー制限によるダイエットです。
僕は糖質制限推進派なのですが、糖質制限ダイエットではリバウンドは起こるのでしょうか?
今まで指導してきた限りでは停滞期はあります。そして糖質の摂取量を元に戻すと体重も元に戻っていくことも確かです。
ただ、「ダイエット以前より太った」という話は今のところ聞いたことがありません。理論的にもカロリー制限よりもリバウンドに対しては強いと考えています。今回はそこを詳しく考えてみましょう。
ちなみに、ここでいう糖質制限は、糖質を減らす代わりにタンパク質と脂質の量を増やすことを前提としています。
空腹感をそんなに感じない
人が満腹感を感じるのは
- 胃の物理的な拡張
- 血糖値の上昇
- レプチンの分泌増加
の3つが主な理由になっています。
通常のカロリー制限ダイエットでは、自然と低脂肪・低タンパク・高炭水化物という比率になる場合が多いと思います。その場合、
- 脂質の量が減るのでレプチンの分泌量は少なくなる
- トータルの量が少ないから胃の拡張も少なめ
- 高炭水化物の場合、血糖値が不安定になり最終的に低くなる
という状態になり、満腹感を感じさせる要素がすべて満たされない状態になります。これはキツイですね。
一方の糖質制限では、高タンパク・高脂質の食事であり、量も満腹感を感じるまで食べてもらうので
- 脂質をたくさん摂るのでレプチンの分泌量は維持できる(推測です)
- 胃は普通に拡張する
- 血糖値が安定する
という状態になり、空腹感に悩まされずにすみます。特に血糖値が安定することが重要で、糖質制限に慣れてくると小食でも空腹感を感じなくなってきます。
食欲のガマンはありませんから、ダイエット期間終了後も糖質少なめの食生活を維持しやすくなります。
また、糖質を食べたいという誘惑は依存症的な部分もありますから、糖質制限ではそれもリセットされるので甘いものをあまり食べたくなくなります。
セットポイント理論の影響を受けない?
レプチンは脂肪の吸収量の影響を受けるわけですが、糖質制限で脂質を多めに摂る食生活の場合、脂肪が不足することは考えにくいです。ですから、食事の時にレプチンの分泌量がセットポイントにまで到達できる可能性が高いと考えられます。
そうするとセットポイントのズレによる満腹感の変化が起こりませんから、セットポイント理論のような状態にはなりにくいでしょう。
満腹感がおかしくなって前よりも沢山食べるということにはなりませんから、そういうリバウンドは起こらないと言えると思います。
糖質制限を解除すると体重はすぐ増える
以上のことから、糖質制限(+タンパク質と脂質は増やす)によるダイエットはリバウンドしにくいと考えています。
ただし、糖質制限を解除して多めに糖質を摂るとすぐに体重は1〜2kg増加します。これは間違いありません。
ですがこれは脂肪が増えたのではありません。糖質を体内に保持するには水分が必要でその水分によって増えた重量です。ですから、一般的なリバウンドと質は違います。しばらく、糖質の摂取を控えるとその水分が開放されるのですぐに元に体重に戻ります。
このことを知らずに体重だけを見ていると、「糖質制限のリバウンドはひどい」という印象をうけるかもしれませんね。
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