エステなどの美容業界では「セルライトを退治して云々・・・」というキャッチコピーをよく見かけます。
そもそもセルライトとは何者なのか?本当に存在するのか?
そこのところを考えてみましょう。
セルライトとは何?
セルライトに関してはWikipediaにも記事が掲載されています。その冒頭では次の様に書かれています。
セルライト(Cellulite)は、皮下脂肪のうち、主に腹部・臀部・大腿部に不均一かつブロック状に存在する組織を指すとされる。美容業界、健康食品業界において用いられる。
美容・健康食品業界で用いられる用語で、医学用語ではありません。定義に関しても曖昧でいろいろな説が出ています。またまたwikipediaを引用しておきます。
セルライトと通常の皮下脂肪の違いについては、セルライトは「脂肪組織に老廃物や水分が溜まったもの」「脂肪細胞同士が付着してできる脂肪の固まり」「リンパ液の固まったもの」「成分のほとんどはコラーゲン」と複数の説があり十分に定まってない。エステサロンなどにおいてセルライトかどうかは外見上の特徴で判断されている。
セルライトの外見的特徴というのはオレンジの皮のように凸凹がある皮膚のことです。太っている人のお尻や太ももなど脂肪がたくさんついている場所に見られます。指でつまむとそれがいっそう目立ちます。
そして、ダイエットをする人にとって大切なことはセルライトは落ちにくいということです。
医学的には否定されている!?
医学的な話をすると、セルライトと呼ばれる部位の脂肪と通常の脂肪には何も差がないという研究結果がでており、病的なものでも何でもなく単なる業界用語だということになっています。
定義自体も色々あり良くわかっていないのですから当然ですね。
「そうはいっても、実際に肌が凸凹してるわ!」
「セルライトの部分は本当になかなか脂肪が落ちないのよ!」
という人もいると思います。実際に太ももやお尻などなかなか脂肪がおちない部分があるのも確かです。
でも、実はセルライトの特徴となっている肌の凹凸は脂肪細胞周辺の組織の構造から説明できます。さらにその構造からこういった部分の脂肪が落ちにくい原因の一つも見えて来ます。
脂肪組織の構造から考えるセルライト
脂肪は脂肪細胞から構成されていますが、全ての脂肪細胞が一塊になっているのではありません。脂肪細胞はある程度集まって周囲が結合繊維組織で覆われた小さな塊をつくり、それがブドウの房のようにつながって大きな脂肪となります。
イメージとしてはキルティング状の脂肪が皮膚と筋肉の間に広がっているような感じです。
そして、筋肉の皮膜(筋膜)や脂肪のキルティングと皮膚は結合繊維組織で結合しています。もし、皮膚と脂肪・筋肉が分離していたら、恐らく体の形がうまく保てないでしょう。例えば顔の表情も筋肉が皮膚を引っぱってつくるものですから、分離していたら作れませんよね。
で、その結合繊維組織は伸び縮みするものではありません。
しかし、脂肪細胞の方は脂肪をため込んで一定の大きさまで膨張していきます。
脂肪が大きくなるにつれ皮膚も伸ばされていくことになります。ところがが、結合繊維組織は伸びませんから、それと結合している部分の皮膚は引っぱられることになります。
その結果、皮膚に凹凸がでてくるということになります。お肉をつまむと凹凸がさらに強調される理由も、脂肪細胞が圧迫を受けて膨らむのに対して結合部は伸びずにそのままだからです。
綿がたっぷり詰まったキルティングをイメージすると良いと思います。
ですので別に老廃物がたまったことで凹凸がでるわけではなく、構造的に脂肪が膨張していくと凹凸ができるということです。
ただし、脂肪が膨張しパンパンになると毛細血管やリンパ管が圧迫され体液の流れが滞りやすくなるので、老廃物がたまりやすくなるという話はあり得ると思います。
そう考えると、定義のところで論争になっている「廃物や水分がたまったもの」とか「リンパが固まったもの」という話は現実に起きているかもしれませんね。
また、カロリー収支がマイナスになると脂肪細胞は蓄えた脂肪を脂肪酸として血液中に放出します。ところが体液の流れが悪いと脂肪放出を促すホルモンが十分に回ってこなかったり、放出した脂肪酸が運ばれないという問題が起こります。
これがセルライトと呼ばれる部分の脂肪が落ちにくい原因の一つだと考えられますね。
結局、セルライトが特別な脂肪かどうかは疑問の余地が多くありますし、皮膚の凸凹は特に病的なものでもありません。ただ、落ちにくい脂肪組織は間違いなくあるので、それを分かりやすくセルライトと呼ぶという感じで良いのではないでしょうかね?
ちなみにセルライトをいくらマッサージして揉みほぐしても、それだけでは脂肪が減ることはないです。体液の循環は改善されるかもしれませんが、それに加えて運動や食事の調整も必ずする必要があることをお忘れなく。
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