ダイエットの基本は摂取カロリーを減らす、つまり食事量を減らすことです。
先日、知り合いでダイエットに取り組んでいる女性と話すことがあったのですが、彼女も食事の量を減らして頑張っていると言っていました。
ちょっと気になったので
「食事量を減らしたって言うけど、どんなものを食べてるの?」
と聞くと
「甘いモノや油っこいモノを控えて、うどんやカロリーメイトみたいなもの・・・」
という答えが返ってきました。
う〜ん、これではいけません。
エネルギーになるものを減らすべき
現在の栄養学では炭水化物の摂取量が全体の60〜70%になることを推奨しています。炭水化物は脳や身体を動かすエネルギー源だから無くてはならない栄養素という位置づけです。
食事の半分以上を炭水化物にしろと言っているのですから、まさに炭水化物はキングオブ栄養素と言えますね。だから多くの人がダイエットでカットしてはいけない栄養素だと考えるのは無理もないでしょう。
それに加えて脂質=皮下脂肪というイメージから油をできるだけ減らした食事を選びがちです。肉もカロリーが高いからという理由で敬遠しがちになる人が多いですね。
でも、ちょっと考えて欲しいのですが、
太っている=エネルギーが余っている
ということです。ですから真っ先に減らすべき栄養素はエネルギー源となる栄養素と考えるのが理に適っていると思いませんか?
体を構成する材料は十分に摂り、エネルギーになるものは少なくする
普通に考えれば、これが筋肉や骨、肌などにダメージを与えずに脂肪を落とす栄養摂取戦略になるはずです。
本当のキングオブ栄養素はどれだ!?
さて、体を構成する材料というのはタンパク質と脂肪です。
タンパク質はともかくとして、脂肪というと皮下脂肪のことしかイメージできない人が多いと思います。しかし、脂肪は細胞膜やホルモンの材料になりますし、脳の60〜70%は脂肪でできています。確かに脂肪とタンパク質はどちらもエネルギー源になりますが、体の材料という役割もあるわけです。さらに、一部は体内で合成することができず必ず食べ物から摂る必要があります。
一方の炭水化物はエネルギーにしかなりません。あまった炭水化物は中性脂肪に変換され皮下脂肪として貯蔵されます。体の構成材料としては使われませんし、もし不足したとしても体内で必要な分を肝臓で合成することができます。
この事実から考えると、総摂取カロリーを減らす場合、炭水化物を減らすことが最も理に適っているという結論になるのが自然だと思います。
こうすれば
不足したエネルギー
→たっぷりある皮下脂肪を消費することで補う
筋肉の合成やホルモンの分泌
→十分なタンパク質と脂質のおかげで正常に維持
という形になります。
冒頭の女性の食事はこれの真逆ですよね。タンパク質と脂質をカットして炭水化物ばかりとると筋肉の合成やホルモンの生産力は低下し体は不健康な方に向かいます。一方でエネルギーだけは体に入ってきますから、皮下脂肪は落ちにくい・・・
これじゃぁ、不健康で痩せにくいダイエット一直線ですよね。
炭水化物がキングオブ栄養素ではありません。タンパク質と脂質こそが重要な栄養素です。
まとめると、ダイエット中でもしっかり食べるべきものはタンパク質です。肉・魚・卵・マメなどですね。これは減らしてはいけません。
脂質はカロリーが高いことは確かですから減らす方がよいですが、極端に減らすよりも、良質のものを摂るようにすると考えればよいでしょう。具体的には揚げ物とかマーガリンとかは×。オリーブオイルやフィッシュオイルなどはたっぷりと。肉の脂身も極端に多くなければ問題ありません。
タンパク質と脂質をしっかり確保して、最後の総摂取カロリーの調整に炭水化物を使えばよいでしょう。
くれぐれもこれと逆にならないように。
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