理系ダイエット〜理屈と計算で合理的にダイエット!でも一番大事なことは気合いです(笑)

数日前、クライアントさんからこんな質問を頂きました。

「先週の日曜にやっていた【林先生が驚く初耳学】で空腹時の運動は痩せやにくいという話が出たのですが本当ですか?」

“空腹時に運動すると痩せにくくなる”という話は私も初耳です。いったいどういう理屈でそう説明しているのか調べてみました。

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空腹時に運動すると痩せにくくなるメカニズム

Youtubeにその番組の動画があったので実際に見てみました。

この話を提唱しているのは管理栄養士の足立 香代子氏で、空腹時に運動すると太りやすくなるメカニズムは次のように説明されていました。

空腹時に運動すると血糖値が下がる

糖新生でブドウ糖が作られ血糖値が上がる

運動後の食事でさらに血糖値が上がる

インスリンの分泌量が(糖新生分上乗せされて?)増加

インスリンの分泌が増えるから太りやすい

番組内容をみると、

「運動時に糖新生で血糖値が上がりインスリンが分泌され、運動後の食事でさらにインスリンが分泌されるから太る」

という意味にも取れるのですが、番組中に出てきたイラストを見ると糖新生分の血糖値の上昇分が積み重なって普通に食べるよりインスリンが多く分泌されてしまうというニュアンスに感じたので上のような解釈としました。まぁ、どちらにしもておかしな話なんですけどね(苦笑)

このコーナーの最後に、空腹で運動したほうが脂肪が燃焼しやすいという点を突っ込まれると、「それは確かですがそれよりもインスリンの分泌が増えることの方が問題です」と締めくくっていました。

証拠としては体格が似ている双子の女性を使った比較実験を紹介していました。1ヶ月間、同じ食事、同じ運動メニューをやってもらい、1人は空腹で運動、もう1人は間食(ナッツ類?)を食べて運動したそうです。その結果、空腹で運動した女性は+0.3kg、間食を食べて運動した女性は-2.8kgの減量に成功という結果になっています。

また、運動中の血糖値の測定をしており

血糖値
運動前 運動後 運動前の差
間食して運動 85 92 +7
空腹で運動 91 105 +14

となっています。

この結果だけからみると確かに空腹で運動したら痩せにくい・・・となりそうですが、冷静に見ていくと気になる部分がいくつもあります。

糖新生による血糖値上昇でインスリンの分泌は増えるのか?

実験結果をみると血糖値の上昇量が2倍違うというのは確かですが、絶対値としてみると、いわゆるブドウ糖スパイクと呼ばれるほど強烈な血糖値の増加ではありません。この程度の差で運動中・運動後のインスリンの分泌に有意に差が出るのか非常に疑問です。

仮に運動中にインスリンが分泌されるほど糖新生でブドウ糖が作られたとしても、インスリンは糖新生を抑制します。運動中は糖質を積極的に使っていますから血糖値はすぐに下がってしまうでしょう。そうすればインスリンの分泌も減ることになります。結局、体がその時の状況に応じて上手に血糖値をコントロールしてくれるので太るような状態にはまずなりません。

また、運動終了後は消耗したグリコーゲンを回復するために、筋肉は積極的に糖質を取り込もうとする状態になっています。運動終了後も糖新生分だけ血糖値が上昇した状態が続くとは考えにくいです。

ちなみに、安静時に糖新生で作られるブドウ糖の量は1日に50〜60g程度と言われています。運動中にさらに増産できるか正確なところはわかりませんが、増えたとしても低血糖で倒れないレベルの供給能力だと思います。もし、インスリンが有意に分泌されるほど大量のブドウ糖を糖新生で生産できるなら、運動すればするほど満腹感が出ることになりますし、運動してもバテることがなくなります。

測定値に関しても、この1例だけでは「空腹だったから血糖値が大きく上昇した」とは言えません。もっとサンプルを増やして検証してほしいところです。

ということで、運動中の糖新生による血糖値の上昇分が上乗せされて運動後の食事によるインスリン分泌を増加させるという話はおかしいと言わざるを得ません。

双子だからといって体質が同じとは限らない

生理学的にみると、この話はかなり怪しいという結論になりそうですが、

「実際に双子の女性で差が出てるじゃないか!」

と言う意見もあると思います。

しかし、「双子で同じような生活をしているのに体型の違いがあるのはなぜか?」という疑問から腸内細菌と肥満の関係が発見されました。つまり、双子で太りやすさに差があったとしても何ら不思議ではありません。

さらに、実験の詳細な条件が全く分かりませんし、1組だけの結果で結論をだせるような簡単な問題ではないです。この実験結果はウソとは思いませんが、条件をもっと細かく提示してもらうことと、サンプル数をもっと増やした場合の結果がないと、空腹時の運動が太りやすいという証拠とは言い難いでしょう。

「間違えてました〜」って言っている人はみんな良いスタイルをしている

テレビをみてるとモデルさんや芸能人さんが「え〜、今までずっと間違っていました〜」とコメントしていますが、間違っていたことをしていた割には皆さんスタイル抜群でした。

それはやってきた方法が最適ではないにしても大きく間違っていない証拠でしょう。

まとめ

まとめると、「空腹時の運動は痩せにくい」というのは誤りである可能性が非常に高いです。

足立氏は間食をオススメしていますが、運動前の間食は場合によってはダイエットに逆効果になります。詳しくは、ダイエットで運動前に糖質は食べてはいけない という記事でも書きましたが、運動前に下手に食べ物を食べて血糖値を上げてしまうと全然脂肪を燃焼しない運動になってしまいます。

空腹で運動するようにしていた方は是非、今のまま続けてくださいね。

あと、これはバラエティー番組なので足立氏が本来伝えたいと思っていたことと違う可能性もあります。テレビはインパクトのある分部だけ切り出して使いますからね。となると、ここは書籍を買ってもう少し詳しい情報や考え方を調べたほうがよいかなぁ・・・

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