ダイエットの指導で炭水化物をひかえましょうというと必ず拒否反応を示す人がいます。なかには「日本人は米を食べるようにできている」と主張する方も(苦笑)本当に穀物が主食だという信仰は根強いものがあります。
現在の人間は雑食といえる食生活ですが、内臓の構造だけを見るとかなり肉食寄りの構造になっています。ただ、肉食獣は肉を噛み千切るために鋭利な歯を持っていますが人間にはありません。逆に臼歯(奥歯)は穀物などをすり潰すのに都合の良い形になっているように見えます。
ですので、歯の進化という面から人間は炭水化物(特に穀物)を食べるように進化したと主張されると理屈は通っていたのですが、それの有力な反論となる話がでてきました。
それがこれ↓
人は本能的に動物の骨髄や脳を好む?1920年代に幼児を対象に行われていた食に関する実験結果(アメリカ)
実験内容は倫理的観点から今ではとても実施できなさそうな内容ですが、その結果は示唆に富みます。
人類の主食は骨髄だった?
この記事では食べ物を偏って食べてもきちんと育つということを主張していますが、私的に気になるのは「脳や骨髄を好んだ」という点です。
島泰三氏は著書「親指はなぜ太いのか」で「初期の人類の主食は骨髄だった」という説を唱えていますが、その指摘が正しいとすると幼児が脳や骨髄を好んだという話は自然と納得できますね。
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島氏はサルの主食によって指や口の形が様々に進化した事実や初期人類の化石などから次のような結論を導いています。
初期人類は石などを使って骨を砕き(そのために親指が発達した)、さらに顎で砕いてその中の骨髄をすすった
つまり人間の臼歯は穀物をすり潰すためではなく、骨を砕き骨髄をすするためにあのような形に進化したものだと解釈できるわけです。この事実が本当だとすると「歯の形から人間は穀物を食べるように出来ている」という主張は否定することができます。
そもそも、人類が穀物を食べるようになる何百万年もまえから臼歯の形は今のようになっていますから、その理由が明確になったとも言えますね。
運動やって炭水化物をホドホドに
当ブログでも何度も書いていますが、この話以外にも「炭水化物はそんなに重要な栄養素ではない」という考え方を支持する証拠は沢山あります。その一方で、タンパク質と脂質は生きていくために必ず食べなければなりません。
そうなると、ダイエットするぞ!と決心して取り組むときに最初に減らすべき栄養素は炭水化物というのが合理的な判断だということがわかると思います。間違っても一日の食事はお粥だけとかパンだけというように炭水化物に偏ることがないようにしましょうね。
ちなみに炭水化物は高強度の運動をするときには必須になってくる栄養素です。ですから炭水化物を食べたいならバリバリ運動する、というのもありです。ただし、それでも大量に食べるとすぐにオーバーカロリーになりますから気をつけましょうね。
「運動をしっかりやってホドホドに炭水化物を楽しむ」
というライフスタイルが健康・体型維持・食の楽しみをバランス良く満喫する最善の方法のように思います。
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