先日、子供と「アナと雪の女王2」を見に行ってきました。最近のプリンセスは強いですね〜。これなら王子様はいらないですな。それはさておき、こういうプリンセス系の映像を見ていると、大昔に見つけたこんな記事を思い出してしまいました。
コルセットでダイエットというのが何とも危険な響き(笑)だったので頭に残っていました。
結論から言うと、コルセットで痩せることは可能ですが、かなり苦しい思いをするのと、健康的とはいえないのでオススメはしません。
なぜシンデレラでコルセットが注目されたのか?
なぜ『シンデレラ』という映画でコルセットが注目されたのかというと、ヒロインのシンデレラ(リリー・ジェームズ)の着ているドレスのウェストがとても細いからです。
予告編では動き回っているので分かりにくいですが確かにウェストはかなり絞られています。これはリリー・ジェームズのウェストが実際にこんなに細いのではなく、コルセットでガチガチに締め上げて実現していたそうです。
先の記事でも次のようなコメントが書かれています。
「撮影中コルセットを外せなかったから、楽しいはずのランチやお茶も楽しめなかった。だってあんなにきつく締められた状態で、胃が何かを消化することは不可能よ」
女優さんの役作りは大変ですね…
ただ、コルセットで締め上げて細く見せるというなら脂肪が使われるわけでもなくダイエットにはなりません
実はこのコメントの「ランチやお茶も楽しめなかった」というところがポイントになります。
コルセットを着けると痩せられる理由
この記事では次のように書かれていました。
「19世紀に、家長からの抑圧と苦痛のシンボルとして使用されていたコルセットが、ダイエットの方法としてブームを取り戻す兆しがあります。そこまでハードではなくてもコルセットを付けるとあまり食べられませんし、実際に食欲がなくなります。そのことで体重の減少につながり、自己満足を感じるとコルセットの効果を信じてさらに痩せることにつながります」と関係者が同紙に語っている。
ブームを取り戻す兆しは4年経っても全くありませんが(笑)、コルセットで痩せるメカニズムはこうです。
お腹をきつく締めつけるから苦しくて食べれない。
↓
食べる量が減るからダイエットできる
食事量が減るので痩せるのは当たり前。なんとも強引なやり方ですが、確かに効果はでそうです。ただ、、この記事を読んだ人は間違っても試さないでください。
コルセットを使うことの弊害
当たり前のことですが、腹を締めつけると内臓はお腹の中で動きにくくなりますし、血流も阻害されます。内臓にとって良いことは何もありません。
また、何度も言っていますが、ダイエットではタンパク質を十分に摂取しないと筋肉も減ってリバウンドしやすくなります。コルセットダイエットでは締め付けれて食べられなくなるので、タンパク質が不足する可能性も高くなります。
姿勢という面でも、コルセットを長時間使うと体幹の筋肉が衰えて自力で良い姿勢を保つことが難しくなる可能性もあります。
これだけリスクがある一方で、お腹を締めつけらるのというのは結構なストレスで決して楽ではありません。楽に痩せたいなら全くオススメできる点はないですね。
姿勢には腹圧が大切
少し余談になりますが、上でも書いたように姿勢という面でコルセットはオススメできません。その理由について深掘りしてみたいと思います。
ヒトのお腹の中には腹膜という胃や腸などを覆う覆う大きな袋状の膜があります。寝転んだ状態ではこの袋は空気が少し抜けた風船のように柔らかな状態になっています。この状態では何も支えることはできません。
しかし柔らかい風船も、ギュッと握ると固くパンパンになりますよね。
同じように腹筋に力を入れて締めることで腹膜は圧迫され固くなり(腹圧が上がるといいます)、上半身を支えられるようになります。そのおかげでヒトはまっすぐに立つことができるわけです。
逆に腹筋(腹圧)を使わずに立とうとすると、背骨や背筋だけで何とかしなければなりません。詳しいメカニズムは省略しますが結果的に猫背や反り腰などいわゆる悪い姿勢になってしまいますし、腰痛や肩こりの原因にもなります。
この腹圧を高めるときに活躍する腹筋は腹横筋と呼ばれる筋肉で、下図の右端に筋肉になります。筋繊維が横向きに走っていてコルセットのようにお腹を巻いているのがわかるでしょうか?いわばセルフコルセットのようなものです。
姿勢作りではこの筋肉をしっかり使えるようになることが大切になってきます。
コルセット=人工腹筋
コルセットを着けると誰でも姿勢が良くなるのは、腹圧を服の力で強制的に上げてくれるからです。いわば人工的な腹筋ともいえますね。
ただ、ここで問題になってくるのは、筋肉は使わなければ衰えるということです。コルセットを長期間つけると腹筋は頑張る必要が無くなりますから衰えていきます。
さらに締めつけられて食事できないとなると、脂肪だけでなく確実に腹筋も衰えるでしょう。
体重が減ったと喜んでコルセットを外しても、姿勢が崩れてしまっていては元も子もありません。ただ細いだけでだらしないスタイルになってしまう可能性が高く、腰まわりが弱くなるので腰痛も心配です。
ダイエットではなく、腰痛のときにコルセットにお世話になった方も多いと思います。これも腹圧をコルセットが高めてくれるので腰への負担が減るという原理です。
急性期の痛みでどうしても動かなければならないなら使うのもありですが、腰痛予防にと毎日つけるのはやはり腹横筋が衰える可能性があるのでオススメしません。腹横筋を鍛えてセルフコルセットを作りましょう。
食事の時だけコルセットならよい?
というわけで、コルセットを締めてダイエットというのは内臓にも姿勢にも悪影響を及ぼす可能性がある方法です。
ただ食事量を減らす効果があることは確かだと思うので、病的に食欲がガマンできない人にとっては短期間ならありかもしれません。
ただし、やるなら「食事の時だけコルセットを着けて食べ過ぎないようにする」という使い方でしょうね。四六時中締めつけるのは無しでしょう。
と書いてみたものの、やはり締めつけた状態で食事は内臓に悪そうに思います。やっぱりこのダイエット法は無しですね。
- コルセットで締めつけてダイエットは健康的とはいえないので止めておきましょう。
- 姿勢維持の要である腹横筋をしっかり使ってセルフコルセットをつくるとがスタイルアップにはオススメ
女優さんは役作りのためなら何でもやるでしょうから、普通の人が同じ方法を真似るのはよ〜く考えてからにしましょう。
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