前回の記事(カロリー制限で痩せにくい体になる理由)でカロリー制限が続くとドンドンとやせにくい体になっていくと書きました。でも、カラダのカロリー収支をマイナスにしないことには体脂肪が使われません。
この矛盾をどうやって解決するかがダイエットの最大のポイントになります。ここが分かっていないと無理な食事制限で体調を崩したりすぐにリバウンドしてしまったりします。
カロリー制限の矛盾を解決する方法は大きく2つあります。今回はその1つ目。カロリーサイクリングという考え方をご紹介します。
カロリーサイクリングとは?
カロリーサイクリングとはカロリー摂取量にサイクルを作ることです。もう少し具体的に書くと
摂取カロリーを少ない状態にずっと保つのではなく、摂取カロリーの多い日と少ない日を計画的にくり返す
というものです。
体が代謝を上げるホルモンの分泌を調整して節約モードになるのは低カロリーが長期間続いた場合です。
短い期間であればそのようなことにはなりません。後で書きますがむしろ代謝が上がるようになります。
そのような事実から考えると、
カロリー制限して脂肪を使う
↓
体が節約モードになる前にカロリー制限をやめる
↓
飢餓状態ではないと体は安心して代謝を維持
↓
再びカロリー制限を始める
ということをくり返すと理論的には「代謝の低下を招くことなくダイエットをすすめることができる」と考えられます。
あとはどのようなパターン(カロリーの摂取量や期間)を設定するかが問題になってきます。
カロリー制限時には体が節約モードになるギリギリまでカロリーを制限して脂肪を使いたいところです。このときに参考になるのが断食の研究結果です。
断食では節約モードにはならない
断食した場合の体の反応については多くの研究が行われており、それによって、2〜3日間の断食では、代謝や筋肉の合成は下がるどころがむしろ上がり、脂肪の利用率は増えるということが分かっています。
狩猟生活だった頃のヒトは、お腹が空いたら自力で獲物を探して獲る必要がありました。つまり、
空腹 = 積極的に体を動かさなければならない
という状況ですね。すぐに食べ物が手に入る今とは大違いです。
そんな状況なのに代謝を落として活発でない状態にしたり、筋肉を分解してエネルギーを節約しようとしたら狩りに不利になりますよね。
飢餓状態は「緊急事態だからガンバレ!」ということで体を活性化させてくれるわけです。これが断食が健康に良いとされる最大の理由です。
もちろん飢餓状態が長く続くと生き残るためにエネルギー節約モードに切り替わります。しかし、すくなくとも数日程度ではそうならないということです。
断食でカロリーサイクリングがオススメの理由
さて、断食中のエネルギー源ですが、体内(肝臓と筋肉)に蓄えられてるグリコーゲン(糖質エネルギー)は1600〜2000kcalほどです。
それが枯渇するとメインのエネルギー源として体脂肪を使わざるを得なくなります。厳密には糖新生でブドウ糖が作られますがそれにも脂肪が必要です。
ですからグリコーゲンを使い切る以上の時間断食をすると体脂肪をよく使う状態になります。文字通り脂肪が燃える体ですね。
一方で、カロリー制限をしていても炭水化物が多い食事だとグリコーゲンは枯渇しないので、体脂肪を積極的に燃やす体にはなりにくいです。
そう考えるとカロリーサイクリングをする場合は、普通に食べる日がすぐにやってくるわけですから、中途半端なカロリー制限よりも断食をした方が体脂肪を落とすには効率が良いといえます。
このような考え方をベースにしたと思われるダイエット方法がインターミッテントファスティングと呼ばれるものです。
今はまだ日本ではそれほどブームになっていませんが、海外では効果があると評判がよいのでそのうちに日本に上陸するかもしれません。
次回は、そのインターミッテントファスティングについて僕の経験も踏まえて書きたいと思います。
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