パーソナルトレーニングの仕事をしていると、女性から二の腕が気になるという相談をよくうけます。
「夏、ノースリーブを着れない」「冬は服を着るからまだいい」
という感じで、腕を露出する機会があると気になるようですね。
そんな二の腕のタプタプを何とかするために、よくオススメされる運動にトライセプス・キックバックという筋トレがあります。
名前だけ聞くとピンとこないかもしれませんが、前屈みになって手にウェイトを持って肘を曲げ伸ばしする筋トレです。女性向けの雑誌などではペットボトルを使う方法が紹介されていたりしますね。
こんなやつです↓
トライセプスとは上腕三頭筋の英語名。腕のこの部分です↓
ちょうど二の腕のタプタプ部分にある筋肉ですね〜。二の腕を引き締めたいなら誰もがここを鍛えましょう!という定番中の定番の筋肉です。
しかし、本当に上腕三頭筋を鍛えるだけでスラッとした二の腕を手に入れる事ができるのでしょうか?
筋肉を鍛えただけでは引き締まらない
「筋トレで引き締める」というのは本当によく使われるフレーズですが、実はこれは非現実的な話です。
- 筋肉は鍛えると太くなる。細くはならない
- 筋肉は力を入れない限りタプタプ
- それも皮下脂肪がなくならないと見えない
- 鍛えた部分の脂肪だけが落ちるということはない
上から順に説明していきましょう。
まず、そもそも論ですが、筋トレをすることで筋肉が太くなることはあっても細くなることはありません。筋肉を太くするのが筋トレです。
次に、筋肉によってシュッと締まるというイメージをもつ方が多いですが、脱力している時の筋肉はタプタプです。さらに力を入れて収縮させると筋肉は太くなります。決して細く締まることはありません。
そうはいっても、筋肉量が多い人は体のメリハリがあって美しく見えますね。その秘密は筋肉よりも体脂肪率です。
皮下脂肪は名前のごとく皮膚の下にあり、筋肉の上にあります。つまり皮膚と筋肉にサンドイッチされた部分に脂肪がたまります。
この脂肪を無くさない限り、どれだけ筋肉を鍛えたところでタプタプの体は改善されません。お相撲さんをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
力士はかなりの筋肉量ですが見た目はタプタプですよね。筋肉の上に脂肪が乗っていたらどんなに鍛えてもそれが見えることはありませんし引き締まっても見えません。
低い体脂肪率とそれなりの筋肉があってはじめてメリハリのあるキレイなラインになります。
では、脂肪を落とせば良いとなりますが、筋トレでの部分痩せは厳しいです。
筋トレで部分痩せはできない?
例えば上腕三頭筋を使えばその周りの脂肪から優先的に分解されて二の腕タプタプが早く解消される・・・と期待したいところですが、現在の医学では「よく使う部分の脂肪が優先的に分解するということは起こらない」とされています。
その理由ですが、運動している部分の脂肪が他の部位よりも優先的に脂肪を分解するという現象は今のところ確認されていません。
全身の脂肪細胞から満遍なく脂肪が取り出され血液によって必要な部位に送られるというメカニズムになっていると考えられています。
ただ、最近では筋トレすることによって筋肉から脂肪を分解するように作用する物質が分泌されているかもしれないと言われています。
実感としてもよく使う部位の脂肪は落ちやすいように感じるので、ひょっとすると細くしたい部位を積極的に使った方が良いという証拠が将来は見つかるかもしれません。
食事とセットで!
先ほど書いたように、脂肪を落としたい部位に重点を置いて筋トレすることはムダとは言い切れません。しかし、それも体のエネルギー収支がマイナスになっていることが前提です。つまり食事管理が必ず必要だということです。
オーバーカロリーでは脂肪は減っていかないのです。
筋トレ(それも二の腕だけ)だけやって食事はそのままという状態で脂肪を落とというのは現実的ではありません。
食事を管理する+二の腕周辺の筋トレを多めにする
という戦略がもっとも確実に効果が期待できる方法です。あ、もちろん筋トレは二の腕だけでなく全身やった方が良いです。それに加えて二の腕の種目を追加するという感じですね。
食事管理が抜けているとどんなに頑張っても変わらないということになるので気をつけてください。
筋トレの種目としては、ベンチプレスや腕立て伏せ、トライセプス・キックバックなどがオススメです。詳しい方法はまたそのうちご紹介しますね。
- 筋肉を鍛えるだけでは二の腕タプタプは解消しない
- 脂肪を減らすことが最優先
- 筋トレでの部分痩せの効果はハッキリしない
- 食事管理と並行して取り組む必要がある
あまり耳障りのよい話ではないのですが、筋トレで引き締めるというのは幻想に近い話でまずは体脂肪を落とすのが先です。そこを間違うと努力が無駄に終わってしまうので注意してください。
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