上半身はそんなに太っていないのに、下半身だけ脂肪が付く・・・という悩みをもっている女性は多いです。そんな女性にとっては部分痩せは切実な問題です。
では、そもそも部分痩せは可能なのでしょうか?
体脂肪は満遍なく使われる?
医学的には部分痩せはできないと言われています。その理論は次のようになります。
普段の生活や運動でエネルギーが必要となった場合、脂肪細胞に脂肪を分解・放出せよという命令(一般的にはホルモンの分泌)が出されますが、その命令(ホルモン)は血液を流れて全身の脂肪細胞に伝わります。
そうすると全身の脂肪細胞が反応することになります。つまりこの仕組みだと全身の脂肪細胞から満遍なくエネルギーを取り出すことになるので、全体的に痩せることはあっても特定の部位の脂肪ばかり使うことはないというわけです。
現実は片寄って使われる
この理屈は一見正しいように思いますが、実際には太ももやお尻のガンコな脂肪がなかなか減らないという現実に直面している人が沢山いらっしゃいます。
その理由の1つは血流だと考えられます。
以前にも説明しましたが脂肪細胞は結合繊維に仕切られてキルティングのようになっており、脂肪がたまってパンパンになると血流が悪くなります。
そうすると、脂肪を分解・放出しろという命令が脂肪細胞に上手く伝わりにくくなる可能性があります。つまり、その部分の脂肪は減りにくくなるということですね。
もう一つは脂肪細胞のアドレナリン受容体の問題です。
アドレナリン受容体が脂肪の増減を決める!?
アドレナリン受容体って何?という人がほとんどだと思うので、大雑把に説明しますね。
脂肪細胞がため込んだ脂肪を分解・放出するためにはアドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが必要です。これが先ほどから書いている命令に相当します。
そして、そのホルモンを受け取る窓口がアドレナリン受容体です。
アドレナリン受容体にはαとβの2種類があり働きは正反対になります。
- α受容体(特にα2受容体)は脂肪分解を抑制
- β受容体は脂肪分解を促進
ここで大切なことはアドレナリンやノルアドレナリンは自分でどちらの受容体に取り込まれるか選択できないということです。そのとき近くにある受容体に取り込まれることになります。
ですから、α受容体とβ受容体の比率によってその脂肪細胞は脂肪を分解しやすいのか取り込みやすいのかが決定されるといえます。
そして、太ももやお尻など・腹などいわゆる落ちにくいと言われている場所の脂肪にはα2受容体が多いと言われています。
つまり、脂肪が落ちにくい脂肪細胞は存在するということです。
この落ちにくい脂肪細胞に対して、いかにして脂肪を分解・放出するように働きかけるかが部分痩せ、というか落ちにくい脂肪を落とすためには重要になってきます。
その解決方法については次回に!
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