夏が近くなると、本屋さんにはダイエットや筋トレ関係の本が増えてきます。
男性向けの場合、「割れた腹筋を手に入れよう!」というのが多いくて、割れた腹筋を持ったカッコイイお兄さんの写真が表紙になってます。
でも、腹筋を頑張るだけではモデルのお兄さんのような腹は手に入りませんよという話をしたいと思います。
腹筋はもとから割れている
世間で言うところの腹筋というのは解剖学的には腹直筋と呼ばれる筋肉です。
で、上の写真をみてもらえばわかりますが、腹直筋はもともと8つに分かれています。割れた腹筋のことをよく「シックスパック」と呼んだりしますが、これは一番下の区画が見えにくいことからこう呼ばれるようになったのだと思います。
腹筋を鍛えたから割れたのではなく、もともと割れているものがクッキリと見えるようになった、というのが正しいですね。
では、どうやったらクッキリ見えるかですが、トレーニング初心者の人は筋肉が太くなればクッキリ見えると考えがちです。だからこそ、最初の書いたように腹筋を鍛えて腹を割ろうという本が売れるわけですね。
腹筋は太くなるのか?
では、腹筋は鍛えると腕や足のように太くなるのでしょうか?
詳しいデータはないのですが、体幹の筋肉は基本的に姿勢維持筋なので長時間働くことができる筋肉である必要があります。そうすると筋肉の組成もスタミナのある遅筋繊維が多いと考えられます。遅筋線維は筋肥大しにくい筋肉です。そもそも自重でやる腹筋レベルの刺激では速筋だったとしても大した筋肥大効果はありません。
また、腹筋群は筋肉の厚みがもともと薄いです。これは中に内臓が入ってるからだと思います。太い腹筋って内臓を圧迫しそうですよね。
もともとが薄くて、さらに筋肥大しにくい遅筋が多いと考えると、筋肥大でボコボコを浮き出させるのはかなり大変そうだとということが分かります。
実際、ボディビルダーをみていても腹回りが腕や足のように筋肥大でぼこぼこの人っていませんよね。
割れた腹は食事で作る
では、どうやったらモデルのお兄さんのようなお腹になるのか?
答えは簡単で脂肪を落とすことです。それ以外にありません。
脂肪に遮られ、筋肉のラインが見えなくなっていることが、腹が割れて見えない最大の原因です。どんなに腹直筋が筋肥大しても脂肪の層が厚ければその凹凸を吸収してのぺっとしたお腹になってしまうのです。
だいたい体脂肪率が15%を切れば腹筋がうっすら割れて見えてきます。ボディビルダーなど体脂肪が10%以下になるとクッキリと見えてくるようになります。
ですので、腹筋を割りたい人は食事をコントロールして体脂肪を落とすことが最優先事項です。腹筋の筋トレはオマケだと考えておいてください。
ちなみにワンダーコアの記事でも計算しましたが、腹筋運動で消費するカロリーは微々たるもの(40kcal程度)です。食事を変えず腹筋運動だけで体脂肪を落とすのは、とても時間がかかります。
ということで、締まった腹が欲しいならまずは食事から。男性の場合は内臓脂肪でお腹がポッコリしている場合が多く、それを減らすには糖質制限が一番早いと思います。
この夏に向けて腹を割りたい人は、是非取り組んでみてください。
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