ダイエットといえばお菓子のような甘い食べ物を控える、というのは誰もが知っていることだと思います。
ですが、たまには甘味も欲しくなりますよね。そんな時にお菓子は論外として、果物は食べてよいのでしょうか?
果物は水分、ビタミン、ミネラルも豊富で美味しいですから、ダイエット中にお菓子の代わりに食べることができたら、ストレスも減らすことができそうです。
ダイエット業界を見てみても、フルーツダイエットといって果物をたくさん食べて痩せようと言っている人がいる一方で、フルーツは果糖が多く太るからダメだという人もいます。
「どっちやねん!」
と突っ込みたくなりますが、僕の経験もフルーツはダイエットに良いのかどうか考えてみたいと思います。
フルーツの果糖と精製された果糖は別物
フルーツが太るかどうかで議論になる最大の理由は果糖を豊富に含むからです。
私が学生の頃、果糖は血糖値を上げないので健康やダイエットに良いと言われていた時期があり、果糖を主成分としたエネルゲンというスポーツドリンクが販売されていたりもしました。
確かに果糖は血糖値を上げないのですが、その理由は腸から吸収された果糖は直ちに肝臓に送られ代謝(エネルギーとして使うor脂肪として貯蔵)されてしまうためです。そのため過剰な果糖は肝臓への負担増・脂肪肝の原因になとされ、「果糖はヘルシーではない、肥満の原因になる」という認識が広がりました。
2018年にプリンストン大学の研究で、果糖は肝臓にすぐ送られるのではなく一定量までは小腸で代謝され肝臓にまで届かない、ということが判明しました。
また、果糖だけを先に摂取すると小腸内の果糖の処理能力がアップすることも判明しています。
この研究はマウスを使った動物実験なのでそのまま人間に適用できるのか追って研究が必要ですが、小腸で処理できる量の果糖なら肝臓に悪影響を及ぼさない可能性がある一方で、小腸で果糖を処理するときに有毒な物質が精製されていてそれが悪影響を及ぼしているのではないかという説もでています。
いずれにせよ、人間の体はまだまだ分からないことだらけですね。
こうなると、「やっぱりフルーツはダイエットに良くないの?」となるのですが、これらの話はあくまで果糖単体を使った実験での話です。
疫学研究では、フルーツを食べても脂肪肝にはならず、それどころかフルーツを多く食べるほど脂肪肝になりにくいという結果が、日本だけでなく海外も含めて多数報告されています。
また、フルーツだけを食べて太るかどうか自身の体で検証されている中野瑞樹さん(ブログはこちら)という方がいて、この方は10年間フルーツのみで生活していますが全く太っておらず健康診断結果も問題ないそうです。
正直、さすがにこれはやり過ぎだと思いますし今後何か問題がでるかもしれません。しかし、私自身も30代のころフルーツ食中心のベジタリアンを試したことがありますが、その経験でも太るどころか体重は減りました。
そもそも、フルーツには食物繊維やビタミン、ミネラル、抗酸化物質など体に良いとされる成分も豊富に含まれます。カロリー以外ほとんど栄養がないお菓子や清涼飲料水とは比較になりません。それらの栄養素が果糖のマイナス面を補ってプラスになるぐらいの影響を及ぼしていると考えてもおかしくはないでしょう。
また、上のコラムにも書きましたが、実は一定量までは小腸が果糖を処理していることが判明しているので、果物に含まれる程度の果糖なら小腸が処理することで肝臓への悪影響を避けているのかもしれません。
いずれにせよ、疫学的には大丈夫そうな結果もでていることから、果糖が含まれるからダメと決めつけるのではなく、精製された果糖が悪いと考えるべきでしょう。
フルーツは空腹時がベスト
果物の果糖はOKとなると、次は「いつ食べるのが良いのか?」というい疑問が出てきます。
私が以前、フルーツベジタリアン生活を始めたきっかけは「ナチュラルハイジーン」という考え方を知ったからです。有名なトライアスロン選手の方がやっているということで興味を持ちました。その中で、
フルーツは空腹時に食べると速やかに消化されエネルギーとなるが、他の食べ物と一緒に食べると中々消化されず腐敗し本来の良い効果が発揮できなくなる。
だからフルーツは空腹時に食べる物だ。
という説明がされていました。
「お腹の中で腐敗とはどういうことだ?」と突っ込みたくなりますし、ナチュラルハイジーンの考え方自体にも間違っているところが多々あります。
しかし空腹時にフルーツを食べた方がよいというのは
- 果糖は小腸で代謝されブドウ糖になる
- 空腹時の方が小腸の果糖処理能力は上がる
ということから考えて理にかなっていると思います。
私もフルーツベジタリアン生活の時はこの教えを守って必ず空腹の時に果物を食べていました。
ということで、経験談的な結論ではありますが、ダイエット中のフルーツは空腹時に食べることをオススメします。
ちなみに空腹のタイミングというと確実なのは朝か食後2〜3時間後です。
- 朝ご飯をパンからフルーツにする
- 3時のおやつにお菓子の代わりに果物にする
とすれば、ダイエット中の甘いものを食べられないストレス解消になり、水分やビタミンを摂取することもできるのでオススメです。
私のフルーツ生活体験談
最後の参考までに私のフルーツベジタリアン生活の体験談を書いておきます。
基本的に「生食のベジタリアン生活で特にフルーツを優先して食べる」という食生活です。肉、卵、牛乳、魚貝類も食べません。精製した炭水化物(砂糖・白米・小麦)もほぼゼロにしていました。
まず、3ヶ月ほどで当時60kgだった体重は57kg近くまで落ちました。運動としてはトライアスロンのトレーンニングをずっとやっていましたが、今までよりトレーニング量を増やしたわけではないので、体重減は食生活を変えた影響がほとんどだと思います。
空腹にならないように、量はたくさん食べています。タンパク質も気になったので豆腐、納豆なども積極的に食べていました。
その甲斐もあってか、体重は落ちましたが体力の低下は全く感じず、競技の成績も変わらずで体調も良かったです。
ですが、やはり完全ベジタリアンかつ、精製炭水化物(白米や小麦)抜きを続けるのは誘惑が多くて正直大変です。半年ぐらいは厳格にやっていましたが、徐々にパンなど精製炭水化物を食べる量が増えていき、1年後にはほぼ元の食事にもどりました。体重も始める前ぐらいに戻っています。
やはり、ダイエットは継続できる食事かどうかは重要ですね。フルーツだけ食べてダイエットは確かに痩せるとは思いますが、ずっと続けられるかというと難しいように思います。
- フルーツの果糖と精製された果糖は別物と考える
- フルーツは空腹時に食べる
- 朝食または間食の変わりがオススメ
フルーツもタイミングを考えて食べればダイエットの敵ではありません。ダイエット中の甘いモノが欲しい要求への対処法として上手く利用しましょう。
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