筋トレは多くの人にとってはそれほど楽しいことではないと思います。できるだけ短い時間で終わらせたいものですね。
ですが、ネットや本で調べると普通は1種目につき2〜3セットやるように書いてあります。
これには、きついことをさせたいのではなく、ちゃんとした理由があります。この記事ではその理由と、セット数を計算する方法について説明します。
これが理解できると、自分で筋トレメニューを作りやすくなりますよ。
筋肉は全力を出し切っていない
筋トレをやっていて、「もうダメ、上げれない」となった時、筋肉は全ての力を出し切っていると考えたくなると思います。
しかし、実はそれは間違いで筋肉はまだまだ全力を出し切っていません。
筋肉は下図のようにたくさんの筋繊維が束になってできており、これらが全て収縮すれば筋肉は全力を出したということになります。
しかし、一般的には「もうダメだ」という状況になっても筋繊維全体の30〜40%程度しか使われていない言われています。なぜ全ての筋繊維を使えないかというと、靱帯や腱、関節を守るためです。筋肉(脳)にはリミッターがあって自動的に体を守っているわけですね。
このリミッターが外れるとビックリするほど大きな力を出すことができます。必死になった時に思いがけない力がでる「火事場のクソ力」は極限状態でリミッターが外れた状態といえます。
また、極限状態まで追い込まなくても限界に近いところまで出し切れるのが一流のアスリートともいえるでしょう。
筋トレは2セット以上やるべき理由
筋トレの理想は全ての筋繊維に刺激を入れることです。
では、先ほど書いたようにサボるのが得意な筋肉を全て使うためにはどうすればよいでしょうか?
その答えが複数セット行うトレーニング方法です。
1セット目で40%の筋繊維を十分に疲労させ、2セット目で残りの40%を疲労させ、3セット目でさらに残り20%を疲労させる、というイメージです。
理論的には集中力を高めて神経系も発達させれば1セットで全ての筋繊維を使い切ることも可能です。しかし、それは火事場のクソ力をいつでも出せるということですから、かなりの集中力・精神力が必要です。
正直、私たち一般人がそのレベルを目指すのは難しいです。セット数を分けて満遍なく刺激を与えるアプローチを取る方がずっと簡単で安全です。
こういう理由があるので、
「すべての筋繊維に刺激を入れるんだ!」
と思って最低2〜3セットは筋トレを頑張りましょう!
筋トレのセット数は負荷や目的で決まる!
先ほど最低でも2〜3セットと言いましたが、現実的にはどれぐらいやるのが良いのでしょうか?
実は決まった答えはありません。
1セットで行う回数、使用重量、筋トレの目的によって変わりますし、体が慣れてきてたらあえて回数やセット数を変えることもあります。
筋トレはただたくさんやれば良いというものではなく、思っている以上に複雑で、考えながら行う必要があるスポーツなのです。
セット数と回数の簡易計算法
とはいえ、趣味でやる方ならともかく、ダイエットや健康作りで気軽に取り組みたい方はそこまで深く考えてられないと思うので、ざっくりとした計算法をご紹介します。
セット数×1セットの回数=30前後
(1セットの回数上限は15回ぐらいまで)
10回×3セット
8回×3〜4セット
5回×5セット
これを満たすように決めてもらえば、全く効果がないということはまずないと思います。
基本的には少ない回数にすると筋力重視、多い回数にすると筋肥大重視となります。その別れ目は4回ぐらいです。
筋力重視というのはできるだけ少ない筋肉量で大きな力を出せるようにしたいというケースです。重量に制限があるスポーツではこのアプローチは重要です。ただ、かなりの高負荷をかける必要があるのでダイエットや健康作りの方にオススメすることはまずありません。
一方の筋肥大は文字通り筋肉を大きくしたいというケースです。
ダイエットや健康作りが目的で筋トレをするのであれば上記で書いたように5回〜15回ぐらいの回数で行うのが一番効率がよいとされています。
筋トレでは適切な負荷を設定することが重要
あと、忘れてはならないのが負荷です。
最初に筋肉を限界まで追い込む必要があると書きました。そのためには適切な負荷が必要になります。
例えば8回×3セットなら、3セット目の8回目は「もうダメ〜」という状態になる負荷にする必要があります。最後の1回だけでよいのでその状態に追い込んでください。セット毎にそこまで追い込まなくてもよいです。限界になる刺激が1回でも入れば筋肉を増やすスイッチが入るので、それを目指しましょう。
その刺激がないと、なかなか筋肉は増えません。
先ほど紹介したメニューでもトレーニング終了時にまだまだ余裕があるような負荷だと筋肉の増加はほとんど期待できないと考えてください。筋トレで結果が出ない方はほとんどがこのミスを犯しています。
5回5セットなら、5回で限界に近い負荷、8回3セットなら8回で限界に近い負荷になるように重量や体勢を工夫する必要があります。
そのことも頭に入れて、セット数や回数を決定しましょう。
ウェイトがなかったり、自重ではどうやっても負荷が不足する場合、回数で稼ぐという手段もなしではありません。
一昔前は、15〜20回以上できてしまう負荷では筋肥大効果はほとんどないと言われていましたが、そういう負荷でも疲労困憊するまで追い込めば筋肥大効果があるという研究結果が出ています。
これは私自身の経験からもそうで、要は自転車や水泳のような低負荷高回数の運動でもたくさんやっていれば自然と筋肉が発達することと同じです。
問題は、この方法は時間がかかるということです。短時間で効率よく、となるとやはりウェイトを使った筋トレが一番のオススメになります。
- 1回で筋肉に全力を出させるのは難しい
- 数セットやることで簡単に全力をださせることができる
- セット数と回数は目的と負荷できまる。
- 10回前後を3〜4セットがオススメ
- ただし、セットの最後に「もう限界!」となる負荷をかける必要がある
回数の計算方法なども書きましたが、「全ての筋繊維に刺激を入れるんだ!」という気持ちをもって筋トレすることが大前提です。そこを忘れずに。
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