前回はホメオスタシス理論でのリバウンドの説明には少し無理があるという話をしました。では、本当のリバウンドの原因は何でしょうか?
注目するのはレプチンというホルモンです。
レプチンとは?
レプチンというのは脂肪細胞から分泌されるホルモンです。
レプチン (leptin) は脂肪細胞によって作り出され、強力な飽食シグナルを伝達し、交感神経活動亢進によるエネルギー消費増大をもたらし、肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たす16kDaのペプチドホルモンであり、食欲と代謝の調節を行う[1]。ギリシャ語で『痩せる』を意味するλεπτός (leptos) から命名された。
ーーWikipediaよりーー
脂肪細胞に脂肪が吸収されるとレプチンが分泌されます。そのレプチンによって脳の満腹中枢は満腹感を感じます。つまり、レプチンの分泌量は食欲と密接に関わり合うのです。
さらにレプチンの分泌量は他のホルモンの分泌にも影響を与えます。たとえば甲状腺ホルモン、コルチゾール、テストステロン(男性ホルモン)もレプチンに影響を受けます。これらはどれも体脂肪の減少に関わってくるホルモンになります。
ダイエットとレプチン
ダイエット中は食事量が減るのでレプチンの分泌量も減ります。そうすると、満腹感が少ないだけでなく、甲状腺ホルモンなど代謝を上げることにかかわるホルモンの分泌量も減少し、いわゆる「やせにくい体」になっていきます。
つまり、お腹は空くし、やせにくいという困った状態になるわけです。
では、この状態がずっと続くのでしょうか?
それだと体型を変えるためには永遠に食欲をガマンし続けることになってしまいます。
でも、安心して下さい。体はきちんと適応します。
人間は血液中のレプチンの濃度がある一定以上になると満腹感を感じ食欲がなくなるのですが、その基準となる濃度はその人の体脂肪量によって決まります。これは大切なポイントで、太っている人とやせている人では満腹感を感じるレプチンの量が違うのです。
この量をセットポイントと呼びます。
ダイエットの停滞期というのは、このセットポイントを新しい体脂肪量に合わせて切り替えている時間ということもできます。
一旦セットポイントの切り替えが終われば、新しい体脂肪量を維持するようにホメオスタシスが働くので、その体重を楽に維持できるようになります。そして満足感を得られる食事量も変化します。その状態になれば、満腹感に素直に従って食事量を決めれば、太った状態に戻るほども食べることもなくなります。
ここで以前の食事量のイメージが残っていて、それを追いかけるとモチロンダメですよ。さらに、満腹感を惑わす糖質の摂取も注意する必要はあります。
一方で、この切り替えが済む前に再び食べ始めると、体は前の体脂肪レベルまで戻ろうとします。
このとき、ガマンしていた食欲とレプチン不足による空腹感が合わさって食事量がどうしても多くなります。さらに体は代謝の低い状態・・・
そりゃぁ太りますよね。
このとき、ホメオスタシスの調整範囲以上に脂肪をため込むことになってしまいます。そのメカニズムは説明すると長くなるので次回に書こうと思いますが、直感的に前より太りそうということはわかると思います。
そして、このレプチンのセットポイントがリセットされるには1ヶ月かかると言われています。ですので体重が落ちなくなったり、希望する体重まで落ちたら、そこからさらに1ヶ月はダイエット期間と考えて食事量をコントロールしてください。
そうしないと確実にリバウンドしてしまいます。
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