ダイエットをするということは、脂肪を減らすことが目的です。
そう考えるとすぐに思いつくには「脂質を摂る量を少なくすればよい」というダイエットです。
しかし、実はこれは大きな間違いです。脂質を極端にカットすることは体にとても大きなダメージを与えることになります。今回は脂質の大切さと脂質カットにこだわってはダメだと言うことについて書いていきます。
脂質はからだの材料
栄養学では脂肪のことをエネルギー源としてを強調していることが多いですね。これが意図的かどうかはわかりませんが、そのおかげで多くの人は脂肪はエネルギーを蓄えるものという印象が強いのでは無いでしょうか?
実際、僕も昔はそれぐらいのイメージしかありませんでした。しかし、それはとんでもない誤解で、脂質やタンパク質と同様に人体を構成する重要な栄養素になります。
具体的にどこに脂質が使われているか主なものを個条書きにしてみますね。
- 皮下脂肪・内臓脂肪
- ホルモン
- 細胞膜などの膜組織
- 脳・神経細胞
1の皮下脂肪・内臓脂肪はダイエットの敵と考えたくなりますが、皮下脂肪の役割は余ったエネギーの貯蔵だけではなく、体温の維持や衝撃吸収など生きていく上で大切な役割を担っています。ですから体脂肪も適度に必要であり、決して敵ではありません。
他の項目は普段はあまり気にしないと思いますが、見るからに体に重要そうですよね。不足するとどんなことが起こるのかも含めてもうすこし詳しく見ていきましょう。
体脂肪だけじゃない脂質の役割
まずホルモンについて。ホルモンは体の様々な働きを調整する重要な分泌物です。ですので、脂質が不足するとホルモンの分泌量が減るということが考えられます。
たとえば、極端に脂質をカットした食事を続けていると性欲が下がるという話があります。これは男性ホルモンであるエストロゲンが脂質不足のため分泌量が減り性欲も下がるというわけです。
余談ですが、エストロゲンは筋肉の同化(発達させること)や脂肪の異化(分解すること)を促す作用があり、不足すると筋肉はつかず、脂肪は減らず・・・というからだの状態になります。さらにエストロゲンの低下は成長ホルモンの低下を招き、それは代謝の低下にもつながります。
ダイエットのために脂質をカットすると、逆に脂肪を使いにくい体になってしまう・・・というのは何とも悲しいですね。
膜組織の材料というのも大切なことはわかると思います。細胞膜はすべての細胞にありますから、この材料が不足すると全身に影響を及ぼすことは簡単に想像できますよね。
そして、意外な話かもしれませんが、神経組織には脂肪が沢山使われています。例えば脳の乾燥重量の60%程度は脂質でできています。脂肪が不足したら脳が小さくなるという話は聞きませんが(笑)神経組織の重要な材料であり、うつ病の人には良質の脂質を食べることをすすめたりもします。
ダイエットは脂肪はむしろ積極的にとるべき
このように脂質は重要な役割を担っているので、単純に脂肪をカットした食事を続けることは良くないということがわかった思います。
それに加えてもう一つ大切なことは、余った炭水化物・タンパク質は脂肪に再合成されて蓄えらるということです。特に炭水化物はインスリンの分泌を促し脂肪として蓄える作用が強いです。
ですからか、いくら脂肪をカットしてもその分大量の炭水化物を食べると、体にとっては百害あって一利なしとなってしまいます。
また、脂肪カットの食事は美味しくありません。これはダイエット継続の大きな障害ですよね。
このように、脂肪の適度な摂取は健康的なダイエット・体づくりに必ず必要になってきます。ダイエットで脂肪を減らそうと考えている人はすぐに考え方を変えてくださいね。
とはいえ、ダイエットや健康のためには摂るべき脂肪・摂るべきでない脂肪があります。
その詳細はまた別の記事で書きたいと思いますが、ここでは脂肪は大切だということをしっかり頭に入れておいてください。
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