先日、やせる生活習慣を身につけるヒントになるかなと考えて「やせる生活」という本を読んでみました。
著者の病院が「肥満治療専門の医療機関」として展開しているらしいので、そこでどんなことをしているか知りたいというのが、この本を選んだ最大の理由です。
ただ、こういうダイエット指導を商売にしている方が出すダイエット本は、自社サービスの宣伝ばかりということも多く、購入をためらうのですが、Amazonのセールで96円(!)だったのでポチットしました。
結果としては、自院の宣伝という感じはあまりなく、まっとうな内容のダイエット本でした。ただ、ちょっと理想論というか精神論になる部分もあるので誰もが読んで納得できるかというとそうでもない本です。
ダイエットに何度か失敗しているけど、モチベーションが強いひとにオススメです。
基本コンセプトはよい!
「やせる生活」の各章の見出しは次のようになっています。
- 私たちが太る、そしてやせられない理由
- これまでと「やせ方」を変える
- 「やせる生活」の始め方
- 「食べ方」を変える
- 量から質への生活
- よく寄せられる質問に答えました。
- やせられない人が陥る7つの罠
この見出しを見てもわかる通り、「食べ方や食事に関する考え方を変えて太らない生活習慣を作っていきましょう」という著者のコンセプトは私も共感できます。内容もそれに沿って一貫した内容になっておりブレはありません。
「とにかく早くやせたい!」とか流行のダイエット法に飛びつくような方には考え方を修正するよいきっかけになると思うのでオススメできます。
太る考え方や習慣のパターンが豊富
著者の臨床経験に基づいて書かれている、太っている人が陥りがちな考え方や、習慣は読んでいて面白です。
私もクライアントさんからよく聞くセリフや行動も多々あり、「やはりみんな同じようなパターンなんだなぁ」と再認識することができました。
ですので、ダイエットに失敗続きな人には気付きがあると思います。
具体的な実践方法は取り組みやすい内容
第3章から具体的な実践方法が書かれています。
その中で第5章に出てくる「幕の内弁当的に食べる」というアイデアは、食事のことを考えるときにイメージしやすい表現だと思いました。
他にも、丼やうどんのような一品物を強く否定しいたり、自炊にこだわらずコンビニも活用しようなど、第5章の内容は食生活を変えるのに大いに参考になると思います。
また、全体的にキツく厳しいことは強要しておらず、誰にでも取り組みやすい内容だと言えます。
ただし、細かな食材選びについての記述はあまりありないので、マニュアル的なものが欲しい方にはもの足らないでしょう。ですが、それは「読者が自分で考えてほしい」という意図からなので、それを汲み取って自分で考える姿勢が必要です。
あと、生活習慣の改善などについては、医学的・栄養学的にエビデンスに基づいた話はあまりなく、著者の経験や憶測からの話が多いこととも気になりました。
知識が豊富な人が読むと、説明の物足りなさや、「その話は否定している論文もあるよ」、と突っ込みたくなる部分がいくつもあります。
ただ、この本のターゲットは専門家やダイエットマニアでなく、知識もそれほど豊富ではない、いわゆる普通の人に向けだと思うので、これはこれでよいと思います。また、そんな細かいことに右往左往するよるもっと重要な事がある、という意図とも言えるので、そのあたりは気にせず愚直に実践するべきですね。
メンタル面の問題には役にたたなない
全体的な内容はよい(というかもっともなことを書いている)のですが、この本の最大の問題は
- NGなものをどうやってやり過ごすか、
- なかなか止められない習慣をどうやって乗り越えるか
に関して、最終的には精神論に頼ることになっている点です。
「わかってても、それができないから困ってるんだ!」
という方には「役に立たない」と批判されてもおかしくなく、Amazonのレビューで厳しい点数の人もそういういう方ではないでしょうか?
最終的には「理想の自分や達成した姿をイメージしてモチベーションを強く持とう」ということになっているのですが、実はこの方法はよくありません。そういうことをイメージした時点で脳が満足してしまい逆に粘り強く頑張りにくくなることが分かっています。
内容はまっとうなだけに、コーチや医師など他に自分のことを見てくれる人が居る場合は、この本のやり方で十分上手くいくと思いますが、1人でやる場合はメンタルが強い人でないと難しいというのが私の意見です。
ということで、ダイエットについての知識をあまり持っていない方、やせることに対して強いモチベーションを持っている方なら、この本の内容を愚直に実践して結果を出せるのではないでしょうか?
書籍:「やせる生活」のオススメポイントをまとめておきます。
- ダイエットに失敗続きな人がその理由を気付くことができる
- 短期間でやせることばかり考える人や、流行のダイエット法にすぐに飛びつく人が考え方を変えるにはよい
- 強いモチベーションがあって愚直に実践できる人なら本書だけでうまくいくかも
- 「分かっちゃいるけど止められない」系でダイエットに悩む人には解決策とはならない
コメント
この記事へのコメントはありません。