汗をかくとたくさん水分がでるので、体重が減ります。特に運動して汗をかいた場合は頑張った感もあるので、脂肪がたくさん燃えたような気持ちになるのも無理はありません。
こういったことから、「暑いところで汗だくになると早く痩せる」と考える方がよくいらっしゃいます。
しかし、実はこれ大間違いです。暑いところで運動することは体にとても負担がかかる一方でメリットはほとんどありません。
汗を書く=脂肪燃焼
という考えは今すぐやめましょう!こんな風に考えていると楽やせはできませんよ。
この記事では、この理由をもう少し掘り下げて説明していきます。
暑いところでの運動は百害あって一利無し
サウナスーツという服があります。それを着て運動すると熱がこもって大量に汗をかける服で、ボクサーなどがよく使っていますね。
この服は体重別のスポーツで計量をパスするために何が何でも体重を落としたい人が、体の水分を絞りきるために使うものです。脂肪を燃やすために着るものではありません。
しかし、そのことを知らない人が見ると、「暑い環境で運動するとボクサーのようにやせられるのでは?」と考えるのも無理はないと思います。
実際には暑い環境での運動は体にとって(体温的に)非常にきついので長時間続けたり、高い強度で行うことができません。つまり、量・質ともに低いトレーニングしかできないのでトータルの消費カロリーを稼げなくなってしまいます。
また、私は炎天下の中でトライアスロンの練習やレースをやるのでわかりますが、暑いときは疲労回復に時間がかかります。ただでさえ回復力が落ちるダイエット中に、高温で運動すると疲労がたまりケガをしたりモチベーションを失うことになります。
脂肪を燃焼させたいなら涼しい快適な環境で量・質の高い運動をした方が精神的にも肉体的にも楽です。
暑い環境での運動は、キツくて脱水の危険性もある一方で、消費カロリー増加にはメリットがないです。健康にもダイエットにもオススメできるものではありません。
普通にダイエットしたい人は快適な環境でしっかり追い込むような運動をしましょう。
キツイ環境でやればそれだけ効果がでる、というのは昭和のスポ根のような考え方です。限界に挑む一部のトップアスリートには取り組む価値があるかもしれませんが、私たちのような一般人が真似する必要はありません。キツいことをするのではなく、理にかなったことをする事が大切です。
ヒートショックプロテイン
ここまでで、暑い環境のデメリットを話してきましたが、その逆に暑い環境が良いというヒートショックプロテインについて紹介しておきます。
ヒートショックプロテイン(HSP)とは高温環境になると活性化するタンパク質で、他のタンパク質を修復したり、分解することを手助けする働きがあります。
さらに、ミトコンドリアの数を増やす働きがあり持久力をアップさせたり、脂質の代謝をアップさせる効果があるという報告もされているようです。これは運動をする人には魅力的ですね。
ただし、これは高温下で運動することを推奨しているわけではありません。お風呂などで体を温めるということなので一緒にしないようにしましょう。
効果的なやり方としてHSP入浴法というものが提唱されています。
- 40℃で20分+保温(15分〜20分)
- 41℃で15分+保温(15分〜20分)
- 42℃で10分+保温(15分〜20分)
保温では体温が38℃程度をキープ。水分補給が重要。キツければ半身浴。
詳しくは「ヒートショックプロテイン入浴法 – HSP研究者 伊藤要子のホームページです」をご覧ください。
保温がポイントらしいので、お風呂から出てすぐ布団に入る習慣の人なら取り組みやすいかもしれません。布団に入ってからが暑いかも?
HSPは確かに健康にはよさそうですが、ダイエットへの効果は今ひとつハッキリしていません。
また、免疫力が高まりガンの予防に効果があるとする一方で、HSPのタンパク質保護効果ががん細胞を助けるという研究(がん細胞の増殖に必要な遺伝子を発見|国立がん研究センター)もあったりするので少し心配ですね。
それに加えて運動にも入浴法ほどではないにせよHSPを増やす効果があることがわかっています。
そのあたりのことを考えると、ダイエット目的なら普通に運動をした方が筋肉の増加や消費化ロリーの増加などトータルのメリットは大きいと思います。ジッとお風呂に入っているだけでは筋肉は増えませんからね。
楽やせの可能性を秘めてはいますが、現時点ではダイエット目的で積極的に導入するものではないと私は考えています。
- 脂肪の燃焼と汗の量は全く関係ない
- 高温下の環境は運動の質・量を下げるので結果として消費カロリーも増えにくい
- 高温下の環境は脱水や熱中症の危険があり体への負担が大きいわりにメリットがない
- HSPは健康には良いがダイエットに効果があるかは不明。
とにかく、ダイエット目的で厚着で運動を頑張るのはやめましょう。キツイし結果も出にくいのでツラいだけです。
運動は快適な環境で楽しくやるのが長く続けるコツですよ。
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